免疫抑制の方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 10:14 UTC 版)
2007年現在、ヒトにおける免疫抑制の方法論は研究レベルのものを含めて以下のものが知られている。このうちイムノフィリンに作用する薬剤(シクロスポリンやタクロリムス水和物)は比較的選択的に作用する。 炎症を調節する遺伝子の発現の抑制 糖質コルチコイドがこれに含まれる。 増殖したリンパ球を減少させる細胞傷害性薬物の使用 細胞障害性(細胞毒性)薬は化学療法で用いる代謝拮抗薬(メトトレキセートなど)とアルキル化薬(シクロフォスファミド)が該当する。:化学療法の際に用いるよりも低用量では免疫抑制薬としてふるまうということである。細胞成長抑止薬ともいう。Bリンパ球に対する抗体医薬品であるリツキシマブもこの群に含まれる。 リンパ球の活性化と増殖を阻止するためのリンパ球細胞内シグナル伝達の阻害 免疫抑制薬としては主流なものがここに含まれる。イムノフィリンに作用する薬剤(シクロスポリンやタクロリムス水和物)、mTOR阻害剤であるシロリムス、エベロリムス、JAK阻害剤であるトファシチニブなどが含まれる。特異的シグナル伝達阻害薬ともいう。 免疫反応の伝達に不可欠なサイトカインの活性中和 サイトカイン阻害薬ともいう。TNF-α阻害薬・抗IL-6抗体などは有名である。 免疫系にかかわる特定の細胞を除去する抗体の使用 抗胸腺細胞グロブリンやIL-2受容体(CD25)抗体が知られている。 アネルギーを誘導するための副刺激の阻害 副刺激としてのCD40LやCTLA-4(オレンシア)を阻害する。 炎症細胞の局在化をふせぐための細胞接着の阻止 研究段階である。
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