免疫再構築症候群の治療
【概要】 本症は抗HIV療法で免疫回復過程に、病原体が居残っているために発生する炎症反応である。従って対処としては原因となっている病原体への治療継続、他の隠れていた日和見感染症の診断と治療が基本。対症的に非ステロイド系消炎剤の使用、過剰なサイトカイン産生を抑制するために、中等量の副腎皮質ステロイドの併用も多い。結核や非定型抗酸菌症のように病原体の抑制に時間がかかり、かつ免疫反応が強い場合は、長期ステロイド使用の不利益を考え、抗HIV治療の中断をしないといけない場合もある。
【詳しく】 現実に主治医を悩ませるのは、原因となる病原体がみつけにくい場合、使用している薬剤の副作用との区別、副腎皮質ステロイド使用の決断、抗HIV治療中断の決断などである。確実な予防法はない。本症を知っていること。抗HIV療法を開始する前に隠れた日和見感染症はないか検討しておくこと、結核の場合、待つことが可能なら先に結核を治療して、後から抗HIV療法を開始する戦略が考えられる。個別には専門医と相談しながら対処するのが良い。

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