債権者による不良債権の抹消(Writing-off Bad Debts by Creditors)
「貸出・借入」の概念に関連して、93SNAにおいて、旧体系からの重要な変更が行われた。それは、貸出債権の償却、つまり不良債権償却の国民経済計算体系上の取扱である。旧体系においては、貸出金償却の取扱に関する明確な記述がなされていなかった。そのため、慣行上、金融機関等による不良債権の償却を、所得支出勘定において「その他の経常移転」として扱い、債権の直接償却額(共同債権買取機構への金融債権売却損を含む)及び償却を目的とした貸倒引当金(個別貸倒引当金)の取り崩し額の合計、すなわち実現額の合計を計上していた。
しかしながら、93SNAにおいては、不良債権の償却について、「破産等により金融債権がもはや回収できないため、債権者によって当該資産が貸借対照表から除去された場合は、これを(調整勘定の)その他の資産量変動勘定に記録する」という新たな指針が示された。93SNAにおいては、これを踏まえ、金融機関による不良債権の償却を、従来のような経常取引・金融取引として捉えるのではなく、調整勘定の中で「その他の資産量変動」として捉えることとした。なお、93SNAに基づいて、我が国は不良債権の抹消を貸倒金を発生ベースで記録するという立場から、金融機関による直接償却額と個別貸倒引当金への繰入額の合計額、すなわち発生額の合計を「その他の資産量変動」として記録している。
しかしながら、93SNAにおいては、不良債権の償却について、「破産等により金融債権がもはや回収できないため、債権者によって当該資産が貸借対照表から除去された場合は、これを(調整勘定の)その他の資産量変動勘定に記録する」という新たな指針が示された。93SNAにおいては、これを踏まえ、金融機関による不良債権の償却を、従来のような経常取引・金融取引として捉えるのではなく、調整勘定の中で「その他の資産量変動」として捉えることとした。なお、93SNAに基づいて、我が国は不良債権の抹消を貸倒金を発生ベースで記録するという立場から、金融機関による直接償却額と個別貸倒引当金への繰入額の合計額、すなわち発生額の合計を「その他の資産量変動」として記録している。
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