例:R3 内の単位球面
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/18 07:35 UTC 版)
「レヴィ・チヴィタ接続」の記事における「例:R3 内の単位球面」の解説
⟨ ⋅ , ⋅ ⟩ {\displaystyle \langle \cdot ,\cdot \rangle } を R3 上のスカラー積とし、S2 を R3 内の単位球面とする。点 m での S2 への接空間は、自然に m で直交する全てのベクトルからなる R3 の部分ベクトル空間と自然に同一視される。このことから、S2 上のベクトル場 Y は、写像 Y: S2 → R3 と見ることができ、 ⟨ Y ( m ) , m ⟩ = 0 , ∀ m ∈ S 2 {\displaystyle \langle Y(m),m\rangle =0,\qquad \forall m\in \mathbf {S} ^{2}} を満たす。 このような写像の微分を dY により表すと、 補題: 公式 ( ∇ X Y ) ( m ) = d m Y ( X ) + ⟨ X ( m ) , Y ( m ) ⟩ m {\displaystyle \left(\nabla _{X}Y\right)(m)=d_{m}Y(X)+\langle X(m),Y(m)\rangle m} は、S2 上の捩れが 0 であるアフィン接続を定義する。 証明: ∇ がライプニッツ則を満たし、第一変数について、C∞(S2) 線型であることは、直接証明することができる。また、計算により、この接続の捩れが 0 であることを直接示すことができる。従って、これらにより、上の公式は一つのベクトル場を定義し、全ての m に対して、S2 内で ⟨ ( ∇ X Y ) ( m ) , m ⟩ = 0 ( 1 ) {\displaystyle \langle \left(\nabla _{X}Y\right)(m),m\rangle =0\qquad (1)} が成り立つことが証明できる。 次の写像を考える。 { f : S 2 → R m ↦ ⟨ Y ( m ) , m ⟩ . {\displaystyle {\begin{cases}f:\mathbf {S} ^{2}\to \mathbf {R} \\m\mapsto \langle Y(m),m\rangle .\end{cases}}} 写像 f は定数であるので、この微分は 0 である。特に、 d m f ( X ) = ⟨ d m Y ( X ) , m ⟩ + ⟨ Y ( m ) , X ( m ) ⟩ = 0 {\displaystyle d_{m}f(X)=\langle d_{m}Y(X),m\rangle +\langle Y(m),X(m)\rangle =0} である、このことは、上の式 (1) より従う。 ◻ {\displaystyle \Box } 実際、この接続は R3 から引き継いだ S2 上の計量についてのレヴィ・チヴィタ接続である。この接続は計量を保存することを検証することができる。
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