伝統的なナイル川説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/23 15:17 UTC 版)
伝統的なユダヤ教の理解では、エジプトの川はナイル川のこととされている。このような見解は、トーラの偽ヨナタン訳 (エルサレム訳)(Targum Pseudo-Jonathan)、ヨナタン訳(Targum Yonathan)、ネオフィティ(Targum Neofiti)などのタルグームで、この箇所が Nilus と訳されていることに加え、ラシ(Rashi (Rabbi Shlomoh Yitzchaqi))やイェフダ・ハレヴィの注釈によっても支持されている。ラシはヨシュア記13:3 の注釈において、はっきりとこの説を記している。 シホル川から、とあるのは、ナイル川すなわち「エジプトの川」である。 エジプトの川(Nachal Mitzrayim)という表現は、イスラエルの地の境界に言及する場合にだけ用いられ、ナイル川の本流への言及は Ye'or と表現されるのが基本である。つまり、この2つの表現の間には、実際には意味の違いがあることが示唆されている。イスラエルの地はナイル・デルタの内部までは広がらなかったので、エジプトの川が意味するところは、デルタの縁か、デルタの一番東の分流にあったペルシウムの河口部と考えるのが、最も妥当な見方であろう。イェフダ・ハレヴィはペルシウムの河口部と断定している。 ちなみに、「ナイル」(英語: Nile)、すなわち「ネイロス」(ギリシア語: Neilos)は、セム語で「川」を意味する nahal に由来しており、ヘブライ語の "nachal" も同根である。
※この「伝統的なナイル川説」の解説は、「エジプトの川」の解説の一部です。
「伝統的なナイル川説」を含む「エジプトの川」の記事については、「エジプトの川」の概要を参照ください。
- 伝統的なナイル川説のページへのリンク