休止状態への復帰
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/25 05:27 UTC 版)
ロドプシンがいつまでも活性化した状態でいると、次の光刺激を受容することが出来ない。そのため、ロドプシンには光を受容した後、素早く休止状態(暗状態)に戻るための抑制メカニズム(ネガティブフィードバック)が存在する。 一つは、活性化されたロドプシンの細胞質側末端をリン酸化するロドプシンキナーゼ(RK)の働きによるもので、部分的にトランスデューシンの活性化を阻害する。また、リン酸化されたロドプシンにアレスチンが結合することで、さらにロドプシンの活性を阻害する。 また、光刺激を受けて桿体細胞内のcGMPが分解され、cGMPの濃度が減少すると、cGMP濃度依存性のナトリウムイオンチャネルが閉じるため、電位依存性のカルシウムイオンチャネルが閉じる。そうなると細胞外からのカルシウムイオン流入が止まり、カルシウムイオンによって働きが阻害されていたグアニル酸シクラーゼが活性化する。そのグアニル酸シクラーゼがcGMPを合成して元の濃度に回復させる。cGMPの濃度が回復すると、cGMP濃度依存性チャンネルが開き、細胞膜の脱分極が起きる。
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