人間観の転換
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 14:49 UTC 版)
「忠諒易直」が明治の世にあっては「無気無力」と断ぜられた背後には、人間に対する見方の変化がある。江戸時代に体制教学であった朱子学は人間の欲望充足・利害への関心に厳しい抑制を求めていた。しかし『明六雑誌』の啓蒙主義は、迷信や因習に縛られない自由で合理的な精神を追求し、欲望や利害に関し肯定的な功利主義に立つ人間像をもっていた。たとえば津田真道は「情欲論」(第34号)において情欲を「天性の自然」と肯定し、西周「人世三宝論」(第38号他)では健康と智識と並んで「富有」を宝だと述べている。
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