人間原理と宇宙の「微調整」問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/26 18:40 UTC 版)
「コペルニクスの原理」の記事における「人間原理と宇宙の「微調整」問題」の解説
地球や人間を特別視しないコペルニクスの原理は、宇宙の構造や環境の理由を知性を持つ観測者の存在に求める人間原理とは、一見すると対極にある概念である。実際、強い人間原理の提唱者であるブランドン・カーター(英語版)は、コペルニクスの原理の行き過ぎに異を唱える形で、人間原理を提案した。しかし、多元宇宙の仮定の下では、両者は同じ主張を別の視点から論じている場合がある。そして、カーター自身も「宇宙のアンサンブル」として多元宇宙を同時に考えている。 例として、知的生命が存在できる宇宙の環境は極めてまれであり、我々のいる宇宙はそうなるように物理定数が「微調整」されているかのようにみえるという、宇宙の微調整の問題を解くにあたって、人間原理による解釈の上に、コペルニクスの原理に基づく理論予想が試みられている。スティーヴン・ワインバーグやアレクサンダー・ビレンケンが宇宙定数の予想にこの論法を適用し、一定の成果を上げている。
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