人形浄瑠璃史から見た『曽根崎心中』
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「曽根崎心中」の記事における「人形浄瑠璃史から見た『曽根崎心中』」の解説
人形浄瑠璃の演目はそれまでヤマトタケル伝説や義経物語など人々によく知られた伝説や伝承を描くものであったが、門左衛門はここに同時代の心中事件という俗世の物語を持ち込みこれまでの歴史物(時代物)にたいして世話物といわれる新しいジャンルを創り上げたといわれている。俗世の事件を脚色するというやり方は当時既に先例があったが、この作品を「最初の世話物」と位置づける本は『今昔操年代記』(1727年)、『外題年鑑』(1757年)などいくつかあり、この作品が広く浄瑠璃界に広まっていたことが分かる。なお初演年(1703年の竹本座)では、時代浄瑠璃の「日本王代記」の上演後、当日2部目の演目とされている。 短い物語ではあるが、俗世間の事件を浄瑠璃で描くという試みや作品としての面白さが受け『曽根崎心中』は当時の人々に絶賛された。『今昔操年代記』にはその結果、竹本座が抱えた借金を返済してしまったとのエピソードが伝えられている。
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