交代階乗級数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/18 03:04 UTC 版)
次の級数を考える。 A ( z ) = ∑ k = 0 ∞ k ! ( − 1 ⋅ z ) k {\displaystyle A(z)=\sum _{k=0}^{\infty }k!(-1\cdot z)^{k}} この級数は z = 0 を除く z ∈ C で収束しない。このボレル変換は |t| < 1 において B ( A ) ( t ) = ∑ k = 0 ∞ ( − 1 ⋅ t ) k = 1 1 + t {\displaystyle {\mathcal {B}}(A)(t)=\sum _{k=0}^{\infty }\left(-1\cdot t\right)^{k}={\frac {1}{1+t}}} となり、これはすべての t ≥ 0 に対して解析接続できる。したがってボレル和は ∫ 0 ∞ e − t B ( A ) ( t z ) d t = ∫ 0 ∞ e − t 1 + t z d t = e 1 / z z ⋅ Γ ( 0 , 1 z ) {\displaystyle \int _{0}^{\infty }e^{-t}{\mathcal {B}}(A)(tz)\,dt=\int _{0}^{\infty }{\frac {e^{-t}}{1+tz}}\,dt={\frac {e^{1/z}}{z}}\cdot \Gamma \left(0,{\frac {1}{z}}\right)} (ここに Γ(*, *) は第二種不完全ガンマ関数を表す)となる。この積分はすべての t ≥ 0 に対して収束するので、元の発散級数もすべての t ≥ 0 に対してボレル総和可能となる。この関数は z → 0 の極限において元の級数を漸近展開にもつ。これは、時として発散するような漸近展開をボレル総和法が「正しく」総和するという事実の典型的な例である。 再び、 lim t t o ∞ e − t B ( A ) ( t z ) = lim t → ∞ e − t 1 + t z = 0 {\displaystyle \lim _{tto\infty }e^{-t}{\mathcal {B}}(A)(tz)=\lim _{t\to \infty }{\frac {e^{-t}}{1+tz}}=0} がすべての t ≥ 0 に対して収束することと上記の同値性定理から、同じ領域 t ≥ 0 において弱-ボレル総和可能であることが保証される。
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