亡き子よ、葬送詩とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 趣味 > ピティナ・ピアノ曲名 > 亡き子よ、葬送詩の意味・解説 

ラヴィーナ:亡き子よ、葬送詩

英語表記/番号出版情報
ラヴィーナ:亡き子よ、葬送詩L'Enfant perdu, poésie funèbre Op.70作曲年1871年  出版年1871年  初版出版地/出版社Paris, Alphonse Leduc 

作品解説

2011年5月 執筆者: 上田 泰史 

1848年5月、ラヴィーナはL. ビドー結婚しレオン(1852-1870)とエンマ(1853-?)の二子設けたこのうち娘のエンマ1874年出版者ルデュック結婚することとなる。

普仏戦争勃発した1870年、ラヴィーナは最愛の妻と息レオン相次いで失くすという不幸見舞われた。本作若くして亡くなった息子への哀歌である。

曲はA-B-A’という単純な三部形式をとる。「悲痛に」と指示され陰鬱な序奏続き甘美な旋律歌われる中間部劇的情熱的なパッセージ長続きせず、やがて序奏の暗い楽想によって断ち切られる主題回帰するA’ は単なる主題再現ではない。Aではmfで「やさしさ悲しみをもって楽譜指示されているが、A’ では全く同じ主題対しpppで「少し遅く」「きわめて甘美に」という指示つけられている。息子の死受け入れ、その魂を済度し天上へと送り出すこの再現部にもはや地上的な「悲しみ」の混じる余地はない。しかし、曲の結尾部では再び感情爆発し、ただちに序奏回帰し最後はこの曲の最低音まで下降して現実悲しみに沈む。地上絶望天上的な平安見事に描き出した名品である。




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「亡き子よ、葬送詩」の関連用語

亡き子よ、葬送詩のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



亡き子よ、葬送詩のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
社団法人全日本ピアノ指導者協会社団法人全日本ピアノ指導者協会
Copyright 1996-2024 PianoTeachers' National Association of Japan

©2024 GRAS Group, Inc.RSS