主な利用場面
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 06:10 UTC 版)
電子ボルトという単位は、日常生活ではあまり用いられないが、巨視的な物質や現象を素粒子1個単位から記述するには便利である。このため学問や産業の現場において、光子や電子、原子などの持つエネルギーの大きさを表す際に広く利用されている。以下、代表的な例をいくつか挙げる。 物質中の電子の持つエネルギーを表現する際に用いられる。たとえば外部から与えた電界によって全体の電位が 1 V 変化すると、電界中の電子の位置エネルギーがちょうど 1 eV 変化することになるため、計算上都合がよい。物質全般の価電子、自由電子などのエネルギーの表現に用いられる。 半導体素子内部のバンド構造の表現に用いられる。 プラズマ中の電子(や原子)のエネルギーの記述に用いられる。 高エネルギー物理学、放射線治療において、加速器から照射される荷電粒子のエネルギーの大きさを表すのに用いられる。 可視光線域での光子1個のエネルギーは数eVである(たとえば、波長620 nmの赤い光の光子1個のエネルギーは2 eV)。単位eVは、光子と電子の相互作用の取り扱いに便利である。
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