中観派の原義と用例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/09 18:24 UTC 版)
「中観派」と現代語訳される mādhyamika (男性名詞)には「中央インドの一民族」という意味・用法もある。なお、madhyamikā (女性名詞)は、梵英訳では“absolute middle of st.”、「婚期に達した女性」などとなっている。 現代の仏教学者が Mādhyamika を「中観派」と訳しているのであって、「中観派」は漢訳仏典には出ない名称である。「中観派」という語は中国撰述の経論も含めて大正新脩大蔵経には全く見られない。「中観派」という現代の呼称は、中観という語を用いる中国仏教の伝統に由来するもので、サンスクリットの Mādhyamika (「中を理解する者」、「中道論者」、中派)の意訳であり、本来のインドでの呼称には「観」に相当する部分はない。 中国では龍樹の『中論』を『中観論』と称することもあった。その『中論頌』では「中道」という語がただ一度だけ出現する(第24章第18偈)が、天台教学はこの偈頌を解釈して空・仮・中の三諦を説き、この立場から智顗は空観と仮観、そして中観という三つの視点を立てた(三観説)。
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