三角形の内接円と傍接円とは? わかりやすく解説

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三角形の内接円と傍接円

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/21 07:18 UTC 版)

三角形(黒)
内接円(青)と内心(I)
傍接円(オレンジ)と傍心(JA,JB,JC)
内角の二等分線(赤)と外角の二等分線(緑)

初等幾何学において三角形の内接円(ないせつえん、: incircle / inscribed circle (of a triangle))とは、その三角形の内部にあり3辺に接するである。三角形の内部にある円の中で最も面積が大きい円である。内接円の中心を内心(ないしん、incenter)と呼ぶ。

傍接円(ぼうせつえん、excircle)は、三角形の外側にあり1辺と他の2辺の延長線に接する円である。傍接円の中心を傍心(ぼうしん、excenter)と呼ぶ。全ての三角形は、各辺に接する合計3つの傍接円を持つ。

内心は、3つの角の二等分線上にある。傍心は、1つの角の二等分線と他の2つの角の外角の二等分線上にある。内心と傍心は「三角形の3つの頂点と垂心」という位置関係にある。

三角形の面積との関係

内接円と傍接円の半径は、三角形の面積に関係している。

S を三角形の面積、a, b, c を3辺の長さ、s半周長 (= (a + b + c)/2) としたとき、ヘロンの公式から、

ABCと内接円(青)と内心(青 I
接点と接点から作られる三角形(赤 Ta, Tb, Tc)とジェルゴンヌ点(緑)

九点円とフォイエルバッハ点

内接円と傍接円は、九点円と接する。この接点をフォイエルバッハ点という。

ジェルゴンヌ点とジェルゴンヌ三角形

頂点A, B, C とし、内接円が各辺と接する点を TA, TB, TC とする(TAA の対辺上にあるとする)。⊿TATBTCジェルゴンヌ三角形という。接触三角形(contact triangle,intouch triangle)とも呼ばれる[1]。元の三角形の内接円はこの三角形の外接円になる。3直線 ATA, BTB, CTC は1点で交わる。この点をジェルゴンヌ点という。

ATA, BTB, CTC が1点で交わることから、⊿ABC が不等辺三角形のとき「AB と TATB の交点」「CA と TCTA の交点」「BC と TBTC の交点」は同一直線上にある。この線をジェルゴンヌ線という。⊿ABC が二等辺三角形のときは上記の辺の組のうち1つが平行になるが、残りの2点を結ぶことで直線が定義できる。⊿ABC が正三角形の場合はこの直線は定義できない。

内心の座標

座標平面における内心の座標は、3頂点の重み付き平均の値として求めることができる。

3頂点の座標を (xa,ya), (xb,yb), (xc,yc)、3辺の長さを a, b, c としたとき、

三角形の内接円の半径は、『三種類の「頂点から内接円との接点までの距離」の辺を持つ直方体』と同じ体積の『同じ三角形を面に持つ柱』の高さと等しくなる。
  • 内心と傍心の中点は全て外接円上にある(トリリウムの定理)。さらに、傍心同士の中点も全て外接円上にある(九点円の性質の系)。
  • 3つの傍接円の半径の逆数の和は、内接円の半径の逆数に等しい(リュイリエの定理)。
    • 四面体と内接・傍接球、あるいはさらに高次の単体と内接・傍接球に対しても同様の関係が成り立つ。
  • 三角形の内接円の半径は、『三種類の「頂点から内接円との接点までの距離」の辺を持つ直方体』と同じ体積の『同じ三角形を面に持つ柱』の高さと等しくなる。
  • 内心と外心との距離は、ナーゲル点垂心との距離の半分である。

脚注

  1. ^ Weisstein, Eric W.. “Contact Triangle” (英語). mathworld.wolfram.com. 2024年4月6日閲覧。

関連項目

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