一階の項
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 09:08 UTC 版)
変数記号の集合 X = {x,y,z,...}、個別定数記号の集合 C = {a,b,c,...}、個別関数記号の集合 F = {f,g,h,...} が与えられたとき、「項」は以下のような有限個の規則を適用して得られる式として定義される。 基本: 任意の変数 x ∈ X {\displaystyle x\in X} および任意の定数 a ∈ C {\displaystyle a\in C} は、それぞれ項である。 帰納: t 1 , … , t k {\displaystyle t_{1},\ldots ,t_{k}} が項なら f ( t 1 , … , t k ) {\displaystyle f(t_{1},\ldots ,t_{k})} も項である。ただし k は正の有限の整数。 例えば、x、y、a、b は基本規則から項であることが明らかである。f(a,x) や g(b,y,x) は基本規則で項とされたものに帰納規則を一回適用することで得られる。f(a,f(a,x)) は帰納規則を2回適用することで得られる。このように様々な項が生成できる。簡単にするため、定数記号は引数(アリティ)がゼロ個の関数記号とみなすことが多く、帰納規則でゼロ引数の項も許容されるようにする。その場合、a() は a と統語論的に同等である。証明を行う目的では、基本規則と帰納規則を明確に区別するため、定数(ゼロアリティ関数)とアリティがゼロより大きい関数記号とを区別する。数学では関数記号ごとに引数の個数(アリティ)を固定することが多いが、統語論的ユニフィケーション問題では一般に関数記号は(有限の)任意個の引数を持ち、同じ関数記号であっても文脈によって異なる個数の引数をとりうる。例えば、f(f(a),f(x,y,z)) はユニフィケーション問題においては正しい項である。
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