一ツ物神事・御面掛神事
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/22 14:03 UTC 版)
「大塩天満宮」の記事における「一ツ物神事・御面掛神事」の解説
一ツ物神事は氏子代表として男子の稚児が神前において献酌を行う神事である。神と接触することを目的として行われるようになったようで、一ツ物の稚児は依巫(よりまし)として神聖視されていた。烏帽子姿で、顔に化粧をし、魔除けとして額に「・・」の印(位星、アヤツコ)を入れる。かつては旧大塩村の東西から1名ずつ選ばれ、地面に足をつけないように馬に乗っての宮入が行われていたが、現在は氏子8ヶ丁から各1名ずつ一ツ物が選ばれ、肩車での宮入となっている。御面掛神事は、神前において白尉の面をつけ、翁が謡い舞う神事である。能楽の式三番とは形式が異なるが、千歳と翁の神歌、翁の舞が行われ、同じように翁が依巫となっている。 この二つの神事は、神霊の憑依や「童」や「翁」が神に近い存在であるという考えが元になっており、古い信仰の名残といえる。一ツ物や頭人のような稚児を依巫とする神事は、かつては多く神社で行われていたが、近隣では廃止されているところが多い。近隣の神社のほとんどが祭礼において渡御を行うこと、大塩天満宮と同じように渡御を行わない曽根天満宮(高砂市曽根町)で古式に則った一ツ物神事が行われていることから、近隣の神社の祭礼では、渡御を行う神幸祭としての性格が強くなり、一ツ物神事が廃止されたのではないかと考えられる。
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