ヴァイディアの指摘
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/03 06:48 UTC 版)
「エンストローム論文」の記事における「ヴァイディアの指摘」の解説
ロンドン大学のジャヤント・ヴァイディア (Jayant Sharad Vaidya) によれば、カリフォルニアでは1990年に公の場所が禁煙になっているが、それまでの研究期間(概ね4分の3の期間)「非喫煙男性の配偶者(非喫煙)」も職場などにおいてタバコ煙に曝露されていたことが考慮されていない。 公の場所が禁煙になる以前の研究期間は、喫煙男性の配偶者(非喫煙)のうち就業者は、家庭においてタバコ煙に2時間から4時間晒され、職場において8時間から10時間タバコ煙に晒されることになる。これに対し、非喫煙男性の配偶者(非喫煙)のうち就業者は、家庭においてタバコ煙に晒されないが、職場において8時間から10時間タバコ煙に晒されることになるため、エンストロームが比較した集団は、一日に「8時間曝露」と「10時間曝露」の差しか現れない。 従来の説の通り、受動喫煙が30%リスクを高めるとしても、両集団の差は5%程度にしかならないため、エンストロームの用いた「曝露群」と「非曝露群」の区分では、疫学研究としてはっきりとした結論を出すことは困難である。
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