ワウワウテナガザルとは? わかりやすく解説

ワウワウテナガザル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/14 00:09 UTC 版)

ワウワウテナガザル[1]
ワウワウテナガザル Hylobates moloch
保全状況評価
ENDANGERED (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))[2]
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: サル目 Primate
亜目 : 真猿亜目 Haplorrhini
下目 : 狭鼻下目 Catarrhini
上科 : ヒト上科 Hominoidea
: テナガザル科 Hylobatidae
: テナガザル属 Hylobates
: ワウワウテナガザル H. moloch
学名
Hylobates moloch
(Audebert, 1798)
和名
ワウワウテナガザル
英名
Silvery Gibbon

ワウワウテナガザル[3]学名Hylobates moloch)は、霊長目テナガザル科テナガザル属に分類されるサル。

分布

インドネシアジャワ島固有種

形態

体毛は青味がかった灰色で、頭部の毛は暗い灰色または黒色をしている。他のテナガザルと同様、尾はなく体に比べ長い腕を持つ。平均体重は8キログラムである。

亜種

ワウワウテナガザルには2亜種が存在する[4]

  • ニシワウワウテナガザル(Western Silvery GibbonまたはWestern Javan Gibbon), Hylobates moloch moloch
  • ヒガシ(チュウオウ)ワウワウテナガザル(Eastern Silvery GibbonまたはCentral Javan Gibbon), Hylobates moloch pongoalsoni

生態

熱帯雨林の奥地に生息する。昼行性、樹上性で、巧みに木を上り、森の中を腕わたりで移動する。

他のテナガザルと同じく、オスメスのペアを形成して生活し、縄張りを築き厳正に防衛する。ワウワウテナガザルの縄張りは比較的小さく、およそ42エーカー(17ha)である。メスは自分達の縄張りの範囲を主張するため、一日に数度大声で歌う。侵入者が発見されたときは、オスが大きな叫び声で侵入者を威嚇する。

食性は草食性で、果実を食べる。

平均して3年毎に、7か月の妊娠期間を経て1匹の子を出産する。子どもは約18か月授乳され、8歳程度で性成熟を迎えるまでは家族の一員として生活する。

人間との関係

最も絶滅の危機に瀕している霊長類の一種である。ジャワ島の開発が進み、ワウワウテナガザルの生活域はかつてないほど狭まってしまった。ある推計では、自然保護区に散在している個体を全て集めても、その数は2000に満たないという。いくつかの動物園で繁殖プログラムが実行されているが、この種の生存は危ぶまれている。

参考文献および訳注

  1. ^ Groves, Colin. Wilson, D. E., and Reeder, D. M.. ed. Mammal Species of the World (3rd edition ed.). Johns Hopkins University Press. pp. 180. ISBN 0-801-88221-4 
  2. ^ Andayani, N., Brockelman, W., Geissmann, T., Nijman, V. & Supriatna, J. 2008. Hylobates moloch. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.1.
  3. ^ 訳注:和名・ワウワウテナガザルは、鳴き声がワウワウと聞こえることに由来する。英名を直訳してギンイロテナガザルと呼ばれることもあるが一般的でない。
  4. ^ Geissmann, Thomas. “Gibbon Systematics and Species Identification”. 2006年4月13日閲覧。

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