ルベーグの分解定理とは? わかりやすく解説

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ルベーグの分解定理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/05 09:11 UTC 版)

数学測度論の分野における ルベーグの分解定理(ルベーグのぶんかいていり、: Lebesgue's decomposition theorem[1][2][3]とは、ある可測空間 上のすべての二つのσ-有限英語版符号付測度 および に対して、次を満たすような二つの σ-有限な符号付測度 および が存在することを述べた定理である。

  • (すなわち、 に関して絶対連続
  • (すなわち、特異的

これら二つの測度は、 および によって一意的に定められる。

改良

ルベーグの分解定理を改良する方法は多く存在する。

はじめに、実数直線上のある正則なボレル測度特異部の分解は、次のように改良できる[4]

但し

  • νcont絶対連続(absolutely continuous)な部分
  • νsing特異連続(singular continuous)な部分
  • νpp純点(pure point)の部分(離散測度

つづいて、絶対連続測度はラドン=ニコディムの定理によって分類され、離散測度は簡単に理解することが出来る。したがって(特異連続測度はさておき)ルベーグの分解は測度の非常に明解な記述を提供するものとなる。カントール測度実数直線上の確率測度累積分布関数カントール関数であるようなもの)は特異連続測度の一例である。

関連する概念

レヴィ=伊藤分解

確率過程に対する同様な分解に、次のようなレヴィ=伊藤分解がある。あるレヴィ過程英語版 X が与えられたとき、それは次のような三つの独立なレヴィ過程の和 に分解される。

  • はドリフトを伴うブラウン運動で、絶対連続な部分に対応する;
  • 複合ポアソン過程英語版で、純点の部分に対応する;
  • 自乗可積分な pure-jump マルチンゲールで、有限区間においてほとんど確実に可算個の jumps を持つようなものであり、特異連続な部分に対応する。

関連項目

引用

  1. ^ (Halmos 1974, Section 32, Theorem C)
  2. ^ (Hewitt & Stromberg 1965, Chapter V, § 19, (19.42) Lebesque Decomposition Theorem)
  3. ^ (Rudin 1974, Section 6.9, The Theorem of Lebesgue-Radon-Nikodym)
  4. ^ (Hewitt & Stromberg 1965, Chapter V, § 19, (19.61) Theorem)

参考文献

この記事は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス 表示-継承 3.0 非移植のもと提供されているオンライン数学辞典『PlanetMath』の項目Lebesgue decomposition theoremの本文を含む


ルベーグの分解定理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/01 19:52 UTC 版)

絶対連続」の記事における「ルベーグの分解定理」の解説

詳細は「ルベーグの分解定理」を参照 ルベーグの分解定理によればユークリッド空間上の任意の測度ルベーグ測度に対して絶対連続測度特異測度との和に分解できる

※この「ルベーグの分解定理」の解説は、「絶対連続」の解説の一部です。
「ルベーグの分解定理」を含む「絶対連続」の記事については、「絶対連続」の概要を参照ください。

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