リークを行った人物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/02 22:10 UTC 版)
「明治十四年の政変」の記事における「リークを行った人物」の解説
新聞に払下げ情報のリークを行った人物としては様々な名が挙げられているが、明確になったものはない。 広瀬は8月31日の五代宛書簡において「某社」、三菱の策謀であると述べており、当時の政府内でも三菱の関与がしきりに取り沙汰されていた。また三菱につながる大隈、福沢諭吉らの陰謀説も政府内で取り沙汰されている。佐々木高行は土方久元から聞いた話として、伊藤博文が(事件は)三菱会社・大隈重信・福沢諭吉らが「相計リタル」ものと語ったとしている。また佐々木によれば河野敏鎌も参加していたとしている。黒田も同内容の説を信じていたが、大隈自身は『大隈侯昔日譚』において関与を否定している。 明治33年(1900年)に刊行された茶話主人著『維新後に於ける名士の逸談』では、岩内炭鉱の採算が取れないことを知った五代によるリークであるとしている。宮地英敏は炭鉱の採算が取れず、開拓事業への関与を危ぶんでいた広瀬が三菱と河野を通じてリークを行ったのではないかと推測している。伊藤之雄は大隈系の官僚であった矢野文雄か尾崎行雄・犬養毅・小野梓のいずれかであろうとしている。 実際のリーク者が誰であれ、伊藤博文は大隈が関与したと確信を強めていた。閣議で大隈が払下げに反対したことは、伊藤に大隈・福沢・三菱の陰謀説を信じさせる一因となった。
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