リチャード・ニーリイとは? わかりやすく解説

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リチャード・ニーリイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/08 14:23 UTC 版)

リチャード・ニーリイ (Richard Neely1920年[1]又は1916年[2][3]4月18日 - 1999年10月4日)とは、アメリカ合衆国小説家。異常心理を描いたサスペンス描写と、叙述トリックを駆使したどんでん返しが特徴的なミステリを得意とする。

「リチャード・ニーリィ」、「リチャード・ニーリー」と表記されることもある。

経歴・人物

1920年生まれとされているが[1]、1916年生まれとの説もある[2][3]ニューヨーク市マンハッタン生まれ。従軍経験がある。第二次世界大戦後、GHQの機関紙編集者として東京に一年間駐在した[2]。アメリカに帰国後、新聞記者を経て広告業界に入り、大手広告代理店三社のクリエイティヴ・ディレクターや副社長を歴任。新聞社と広告関連会社で合わせて20年勤務した後、作家へと転身した。1969年に『愛する者に死を』で小説家デビューし、その後約15年間の作家生活で合計15冊の長篇を発表[4]

1970年に発表した『殺人症候群』は、異常心理を描いたサイコ・スリラーの要素と、叙述トリックを用いたどんでん返しが高く評価され、1973年にはスウェーデン推理作家アカデミーが主催するマルティン・ベック賞を受賞した。本作とともに1976年の『心ひき裂かれて』が代表作とされている。

1969年の『プラスティック・ナイトメア/仮面の情事』はウォルフガング・ペーターゼン監督によって映画化されている。また、1971年"The Damned Innocents (Dirty Hands)"はフランスのクロード・シャブロル監督により『汚れた手をした無実の人々』(1975年)としてロミー・シュナイダー主演で映画化。1972年の『オイディプスの報酬』は日本において『父殺しの報酬』(1982年、TBS)として、大竹しのぶ古尾谷雅人夏木勲中尾彬の出演によってテレビドラマ化され話題となった。

1972年に発表したポリティカル・スリラー"The Smith Conspiracy"アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞のペイパーバック賞にノミネートされたが、リチャード・ワームザーの"The Invader"に敗れた。また、1976年には一番の代表作とされるサイコ・スリラー『心ひき裂かれて』が、同賞の長編賞にノミネートされたが、ロバート・B・パーカーの『約束の地』に敗れた。

80年代になると、広告業界で働く女性を描いた"An Accidental Woman"を発表し、ミステリから一般小説への転向を図ったが、その後間もなく作家活動を終えた。

1999年、短期間の闘病の後にマリン総合病院で死去[2]

作品

  • 愛する者に死をDeath to My Beloved 1969年
  • プラスティック・ナイトメア/仮面の情事The Plastic Nightmare (Shattered) 1969年
  • 亡き妻へのレクイエムWhile Love Lay Sleeping 1969年
  • 殺人症候群The Walter Syndrome 1970年
  • "The Damned Innocents (Dirty Hands)" 1971年
  • 日本で別れた女The Japanese Mistress 1972年
  • オイディプスの報酬The Sexton Woman 1972年
  • "The Smith Conspiracy" 1972年
  • リッジウェイ家の女The Ridgway Women 1973年
  • 心ひき裂かれてA Madness at the Heart 1974年
  • "Lies" 1978年
  • "No Certain Life" 1978年
  • "The Obligation" 1979年
  • "An Accidental Woman" 1981年
  • "Shadows from the Past" 1983年

映像化作品

映画

テレビドラマ

脚注

  1. ^ a b 推理作家・折原一のTwitterより。
  2. ^ a b c d Richard Neely obit - 1999
  3. ^ a b Richard Neely, Stark House Press
  4. ^ 愛する者に死を (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1805、2007) 著者略歴より

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