ラム–ディッケパラメータとラム–ディッケ領域との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/22 05:48 UTC 版)
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イオントラップの静的なポテンシャルに沿った方向のイオンの運動(z-軸に沿った並進運動)を考えると、トラップポテンシャルは平衡位置のまわりでは調和ポテンシャルで十分に近似でき、イオンの運動は局所的に固有状態 |n⟩ を持つ量子調和振動子(英語版)のそれとなる。このとき、位置演算子 ^z は以下のように与えられる。 z ^ = z 0 ( a ^ + a ^ † ) {\displaystyle {\hat {z}}=z_{0}({\hat {a}}+{\hat {a}}^{\dagger })} z 0 = ( ⟨ 0 | z ^ 2 | 0 ⟩ ) 1 2 = ( ℏ / 2 m ω z ) 1 2 {\displaystyle z_{0}=(\langle 0\vert {\hat {z}}^{2}\vert 0\rangle )^{\frac {1}{2}}=(\hbar /2m\omega _{z})^{\frac {1}{2}}} ⟨ Ψ m o t i o n | k z 2 z ^ 2 | Ψ m o t i o n ⟩ 1 / 2 ≪ 1 {\displaystyle \langle \Psi _{\mathrm {motion} }\vert {k_{z}}^{2}{\hat {z}}^{2}\vert \Psi _{\mathrm {motion} }\rangle ^{1/2}\ll 1} ここで、|Ψmotion⟩ はイオンの波動関数の運動成分、kz=k·^z=|k|cosθ=2π/λcosθ はイオンに作用する光場の波数ベクトルの z-方向の射影である。 ラム–ディッケパラメータは実際上次のように定義される。 η = k z z 0 {\displaystyle \eta =k_{z}z_{0}} ω R = ℏ k z 2 2 m {\displaystyle \omega _{\mathrm {R} }={\frac {\hbar k_{z}^{2}}{2m}}} η 2 = k z 2 z 0 2 = ℏ k z 2 2 m ω z = ω R ω z = E R Δ E {\displaystyle \eta ^{2}=k_{z}^{2}z_{0}^{2}={\frac {\hbar k_{z}^{2}}{2m\omega _{z}}}={\frac {\omega _{\mathrm {R} }}{\omega _{z}}}={\frac {E_{\mathrm {R} }}{\Delta E}}} ここで、ΔE は調和振動子のエネルギー量子である。したがって、ラム–ディッケパラメータ η はイオンの内部状態と運動状態との間のカップリングの強さを定量する。ラム–ディッケパラメータが 1 よりも非常に小さい場合、調和振動子の量子化された状態間の間隔は反跳エネルギーよりも大きく、イオンの運動状態を変化させるような遷移は無視できる。ラム–ディッケパラメータが小さいことはラム–ディッケ領域の必要条件であるが、十分条件ではない。
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