ラガー等のそのかちうたのみじかけれ
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評 言 |
「昭和九年二月十八日大阪花園に於て全日本對全濠州ラグビー試合を見る」と注記のある「ラグビー」と題した連作五句中の一。「かちうた」はノーサイドの笛の後の、勝利者が敗者の健闘を讃えつつ自らの勝利を誇り短く叫ぶ凱歌(ウォークライ)である。ラグビーの持つ潔さを言い留めた句で、どちらが良いとは決めがたいが、最近の演出過剰な「アマチュア」スポーツの世界とはおおよそ縁遠いものかもしれない。新興俳句の人々はこのような題材を得意とした。 季語「ラグビー」については、『図説大歳時記冬』(昭和40年角川書店)に、「ラグビーをうたった俳句は山口誓子の『相搏つ肉体』と『転びし肉体』(昭和八年作)が始めで、これによってラグビーは季題として定着した。」とあるが正確ではない。既に昭和5年刊の『最新俳句歳事記』(小泉迂外編、平凡社)には立項されており、例句「ラグビーの颯爽として飛躍かな」(西邨)が載っている。 誓子や白虹ら著名な作家の佳句によって一般俳人に広まったことは確かであろうが、底流として存在していたものを見落とすのは後代の怠慢であろう。 |
評 者 |
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備 考 |
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