ヤルメラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 19:44 UTC 版)
ヤルメラ(Yarumela、研究者によっては「ジャルメラ」とも)は、ホンジュラス中央部からやや東部のラパス県に位置する形成期[1]段階の遺跡である。遺跡は、カリブ海にそそぐウルア(Ulua)川の支流、コマヤグア(Camayagua)川の一部をなす小河川であるウムヤ(Humaya)川の西岸、比高差10mほどの河岸段丘上でもひときわ小高くなった標高600m前後の島状の台地上に30ha近い範囲にわたってひろがり、中心部には少なくとも15基のマウンドが確認されている。 原レンカ語を話す人々によって、紀元前1000年くらいから居住が開始され、A.D.200年頃まで営まれた祭祀センターであると考えられている。それより後の時代から後古典期にかけては、埋葬と居住は散在的にはみられるようであるが祭祀センターとしては機能していない状態となる。
- ^ ヤルメラの発掘調査や研究を中心的に行ってきたディクソンは、「先古典期」(Preclassic)ではなく、「形成期」(Formative)という用語を用いている。後述する研究史に関する記述からもアメリカの研究者にマヤ文明の編年を意識させる編年用語である「先古典期」を避けてヤルメラがマヤ遺跡ではないと示そうとしているようにも思われるが、むしろG.R.ウィリーやフィリップスが提唱した南北アメリカ共通の編年用語である「形成期」を用いているとみるべきと思われる。本稿でもディクソンに従い形成期の語を用いることとする。
- ^ 北米のアデナ文化、ホープウェル文化、ミシシッピ文化の遺跡を数多く踏査し、1848年にエドウィン・デーヴィスとともに大著『Ancient Monument of Mississippi Valley』を著した。
- ^ 一般調査を参照。
- ^ pot-belliedを日本人研究者が表現するために充てている語。妊娠したような水ぶくれになったような大きな腹をもつ人物を象った土器や石彫、土偶などが先古典期後期にグアテマラ南部を中心に分布していた。
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