モノ川とは? わかりやすく解説

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モノ川

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/08 08:06 UTC 版)

モノ川
ベナングラン・ポポ英語版におけるモノ川の河口地域
延長 467 km
平均流量 54 m3/s
ベナン アティエメ英語版 1944年 - 1922年
流域面積 25,000 km2
河口・合流先 ベニン湾
流域 トーゴ
ベナン

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トーゴ周辺とオティ川英語版 (北) とモノ川 (南)の地図

モノ川(モノがわ)はトーゴ東部の主要な川である。

地理

長さは467 kmで、流域面積は25,000 m²である。モノ川はソコデの町やベナン国境を南に向かって流れていて、川の南側を河口に向かって伝うと、川はベナン・トーゴ国境英語版を形成している。モノ川は広範囲の汽水域トーゴ湖英語版を含むラグーンを通って、ベニン湾に注いでいる[1]

経済

河口に最も近い部分のみが航行可能な水域となっている。より上流のほとんどのモノ川の流域は耕起され、とうもろこしヤム木綿キャッサバの耕作が行われている[2]

ダム建設

この川は河口から160キロメートル (km)のところで、ベナン・トーゴ両国の協力で1987年に完成したナンベトダムによってせき止められている。研究からダムからの経済的利益が報告されていて、その背景には観光と釣りが含まれる。しかし、ダムの建設によって7,600人から10,000人の人々が住居を移動させ、同研究はダムは季節間での流量のゆらぎを減らしたことで、実質的に河口でのラグーンの生態系を変えたことを示している。2番目のダム計画である、アジャララダムはナンベトダムと河口との間で1990年代に建設が提案された[3]2017年中国アフリカ開発基金英語版がダム計画の支援を了承するまで融資を受けられなかった[4]。ダム建設は、トーゴとベナンの電力のほとんどをガーナアコソンボダムより現在輸入することが必要であるから、ベナンの国内発電容量を20から70%に増加させる政府の計画の一部である[5]

自然

河口から約35 km上流に、6連の急流がある。この下では、川の流れが遅くなり、湿地の氾濫原の上を流れて、トーゴとベナン両国に連続した湿地帯を形成している。この地域ではスゲ、草がよく育ち、アフリカマナティーワニカバが川に生息している[6][7]

2017年にモノ川の河口はユネスコモノフランス語版越境生物圏保護区フランス語版にトーゴ・ベナン二国間で指定された。固有種絶滅危惧種としてアカハラグエノン英語版タイマイオサガメアオウミガメヒメウミガメなどが生息している[7][8]。また、河口のカズザキヒルギ英語版ブラックマングローブ英語版などのマングローブを含む下流部のトーゴ側もベナン側もラムサール条約登録地に指定されている[7][9][10]

流量測定

河口から111 kmの距離に位置するベナンアティエメ英語版で49年間流量を観察した(1944年 - 1992年)[11]

アティエメでの平均流量はこの時期に、表面積21,575 km²、全流域の90%以上に対して54 m³/sの値を計測した。

モノ川の流れは非常に不規則である。低水位となる期間が長く、完全に川が枯渇する場合もある。2月から4月までに観測された平均流量は0 m³/sを示した。一方、洪水が頻発する月である9月の値は261 m³/sであり、季節的な不規則性が非常に大きいことを示している。49年間の観察期間において、月ごとの最小平均流量は0 m³/sで、最大平均流量は560 m³/sであった。 以下はモノ川における各月の平均流量である。

0.2 0.0 0.0 0.0 1.2 7.6 44.2 169 261 142 19.9 1.9
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

脚注

  1. ^ Philip's (1994). Atlas of the World. Reed International. p. 101. ISBN 0-540-05831-9 
  2. ^ Mono River”. Encyclopædia Britannica. Encyclopædia Britannica. 2016年11月21日閲覧。
  3. ^ Multinational: Nangbeto Hydroelectric Dam (Benin/Togo)”. African Development Bank Group (2014年1月15日). 2016年11月21日閲覧。
  4. ^ Togo First, Togo: CAD Fund to support new development projects , Tuesday, 11 September 2018 19:08 , https://www.togofirst.com/en/investments/1109-1578-togo-cad-fund-to-support-new-development-projects
  5. ^ Europa Publications (2014). Africa South of the Sahara 2014. Routledge. p. 112. ISBN 978-1-85743-698-3 
  6. ^ Hughes, R.H. (1992). A Directory of African Wetlands. IUCN. p. 443. ISBN 978-2-88032-949-5. https://books.google.com/books?id=VLjafeXa3gMC&pg=PA443 
  7. ^ a b c Zones Humides du Littoral du Togo | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2008年2月2日). 2023年4月2日閲覧。
  8. ^ Mono Transboundary Biosphere Reserve, Benin / Togo” (英語). UNESCO (2018年10月). 2023年1月24日閲覧。
  9. ^ Basse Vallée du Couffo, Lagune Côtiere, Chenal Aho, Lac Ahémé | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2019年10月16日). 2023年4月2日閲覧。
  10. ^ Reserve de faune de Togodo | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (1995年7月4日). 2023年4月2日閲覧。
  11. ^ GRDC - Le Mono à Athiémé

参考文献

  • Adam, K.S (1991). Les impacts environnementaux du barrage du Nangbeto. Geo-Eco-Trop 13(1-4):103-112.
  • Thomas, Kevin (2002). Development projects and involuntary population displacement: The World Bank's attempt to correct past failures. Population Research and Policy Review 21(4):339-349.
  • Maurice Piraux (et Muriel Devey), « Rives du Mono », in Le Togo aujourd'hui, Éditions du Jaguar, Paris, 2010 (nouvelle éd.), p. 152-153 ISBN 978-2-86950-451-6
  • リチャード・ドグベ英語版, Les eaux du Mono : poèmes, Éditions Lec-Vire, 1963, 56 p.
  • ブノワ・アンシューム英語版, Agbétiko : terroir de la basse vallée du Mono (Sud-Togo), collection Atlas des structures agraires au sud du Sahara, Paris, ORSTOM, 1978.

座標: 北緯6度17分45秒 東経1度55分48秒 / 北緯6.2959度 東経1.9299度 / 6.2959; 1.9299




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