ミニ磁気圏プラズマ推進 (M2P2) とマグネティックプラズマセイル (MPS)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/28 01:08 UTC 版)
「マグネティックセイル」の記事における「ミニ磁気圏プラズマ推進 (M2P2) とマグネティックプラズマセイル (MPS)」の解説
純粋なマグネティックセイルでは、広範囲に磁界を展開させる必要からより大きなコイルが必要となる。一方で、磁界は内部にプラズマを吹き込むと大きく膨らむという性質があり(磁気インフレーション)、これを利用すれば比較的小さなコイルで大きなマグネティックセイルと同程度の推力を得ることができる。 この磁気インフレーションを利用したミニ磁気圏プラズマ推進 (M2P2) はWinglee博士により提案され、ワシントン大学とNASAにおいて実験的な研究が進められていた。しかしその後、マーシャル宇宙飛行センターのKhazanovが、M2P2の理論モデルについて誤りを指摘した。簡単に言えば、「薄く広範囲に磁気インフレーションされたセイルは、太陽風を受け止めることが出来ない、スカスカの状態」にしかならないという主張であり、2003年以降、M2P2の研究はストップした。Winglee博士はM2P2にMHD(磁気流体力学)モデルを導入していたのだが、M2P2の磁場レベルではより粒子的なモデルを構築する必要があり、Khazanovの構築したハイブリッドの数値モデルではM2P2が有効な推力を発生することを見出せなかった。 同時期に、JAXA内でM2P2をより詳細に解析、工学的に実現するという目的でマグネティックプラズマセイル (MPS) の研究が開始された。MPSは現在ハイブリッド・モデルによる解析とともに、真空チャンバ内で小型の実機を作成して、実験を行っている。
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