マヤーク核兵器生産炉周辺での白血病増加
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 02:02 UTC 版)
「白血病」の記事における「マヤーク核兵器生産炉周辺での白血病増加」の解説
チェルノブイリ原発事故では作業員を除く地域住民には明らかな白血病の増加の証拠は見つかっていないが、1956年に停止されたロシアのマヤーク核兵器生産炉では作業員だけでなく周辺住民にも白血病の増加が観測されている。ロシアのマヤーク核兵器生産炉では核兵器用のプルトニウムを生産していたが、プルトニウム生産過程で生じたストロンチウム90が周辺環境に放出されている。チェルノブイリで主に問題になった放射性ヨウ素は甲状腺に溜まるために甲状腺がんが増加したが、マヤーク核兵器生産炉で放出されたストロンチウム90はカルシウムと化学的性質が類似するため骨に集まる性質があるので白血病の増加は予想されていた。マヤーク核兵器生産炉の作業員および周辺住民では1953-2005年の間に93人が白血病になり、明らかに放射線被曝量が多いほど白血病リスクは高くなる。ストロンチウム90による過剰相対リスクERRは4.9/Gyで、つまり被曝量1Gyあたり白血病のリスクが5.9倍になっている。 (マヤーク核兵器生産炉事故についてはウラル核惨事を参照のこと)
※この「マヤーク核兵器生産炉周辺での白血病増加」の解説は、「白血病」の解説の一部です。
「マヤーク核兵器生産炉周辺での白血病増加」を含む「白血病」の記事については、「白血病」の概要を参照ください。
- マヤーク核兵器生産炉周辺での白血病増加のページへのリンク