ホームランバーとは? わかりやすく解説

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ホームランバー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/26 17:17 UTC 版)

ホームランバーは、協同乳業が製造販売するアイスクリームの商品名。九州地区向けには名糖産業が製造販売する。

歴史

1920年に冨士食料品工業(現・冨士森永乳業)がアメリカ製アイスクリーム製造機を導入し、アイスクリームの生産を開始[1]。続いて極東練乳三島工場(現・明治)や自助園牧場(現・雪印メグミルク)などが続き、日本におけるアイスクリームの製造販売は広まっていった[1]

1930年代には、雪印からカップ入りのアイスクリームが販売され、多数のメーカーが後に続き、カップ入りアイスクリームも日本に普及することになる[1]

1955年協同乳業デンマークより、バータイプのアイスクリームの製造装置を日本で初めて輸入した[1]。この製造装置によってアイスクリームに棒を挿す作業や包装作業が機械化されたことで、1日に20万本の製造が可能となった[1]

上述のようにカップ入りバニラアイスクリームなどはすでにあったり、駄菓子屋でも販売されていたわけだが「子供が保護者に買ってもらう」ような価格帯であり、「子供が小銭で買う」ような身近な商品とは言えなかった[2]。協同乳業から発売された「アイスクリームバー」は、ちょっと高めの菓子であるアイスクリームが棒付きになったことを示す直截的なネーミングであっただけではなく、子供が小銭で買えるという唯一無二の商品のバニラアイス、かき氷系の氷菓と同価格帯の商品ということもあって、人気を集めた[2]。協同乳業の日本橋工場は当時、ガラス張りで製造工程が外から見えることもあり、近隣の子供たち間で人気スポットとなった[2][3]

1960年代になると名称を「ホームランバー」と名を換え[4][2][3]、アイスクリームとしては日本で初めてとなる当たりくじを付け、長嶋茂雄を広告に起用し、1本10円という低価格と相まって空前の大ヒットとなる[1]。協同乳業に倣い、他メーカーも製造機械を導入したことで、日本の棒アイスの工場生産は急伸することになる[1]

「ホームランバー」は防水性が高いこと、普通の紙よりも角がシャープに折れること、アイス本体にくっつきづらいという理由から銀紙で包装された[4]。当たりくじは、白樺の棒に焼き印が施されており、焼き印が「ホームラン」だともう1本もらえて、「ヒット」の焼き印は3本集めるともう1本と交換できた[4]

長嶋茂雄を起用した店頭ポスターは盗難被害も相次いだ[3]

1960年代中盤からは、小売店に冷凍ショーケースが普及し始めたこともあり、各メーカーからも様々な棒アイスが発売されてゆくことになる[4]

1970年代中の短期間だけ、棒が木製ではなくプラスチック製だったことがある[2]

1990年には、内容をグレードアップした「ツーランホームランバー」[5](後の「プレミアムホームランバー」)に切り替えられた。また、同年、協同乳業が販売するホームランバーも名糖産業が製造する事となった。

当たりくじとキャンペーン

上述のように「ホームラン」だと同じ商品がもう1本もらえ、「ヒット」3本でももう1本もらえるほかに「満塁ホームラン」だと野球盤がもらえるといったものもあった[3]

1980年代にはスピードガンラジコンカーが抽選で当たるキャンペーンも実施された[3]。このようなキャンペーンが開催される直前にはテレビコマーシャルも放映されていた[2]

パッケージとキャラクター

パッケージデザインは和田誠によるもの[3]

パッケージそのものは発売以来、何度もリニューアルされているが、野球少年を描いたデザインは共通である[3]。描かれている野球少年は協同乳業、名糖産業の社内外から「ホームラン坊や」と通称されていたが、2005年より正式なブランディング施策を行うことになり「あたるくん」が正式名称となった[3]

あたるくん

2005年の12代目より商品キャラクターとして公式に定められた[3]。以下のような設定がある[3]

性別
男の子
年齢
9歳
誕生日
5月10日(メイトーの日)
出身地
東京都板橋区大山
趣味
野球、アイスのスティック集め、ゲーム、散歩
特技
バットぐるぐるダッシュ、バント
性格
わんぱく坊や、目立ちたがり屋、おっちょこちょい
好きな食べ物
ホームランバーのバニラ味、エビフライ、「なめらかプリン」(メイトー)

商品ラインナップ

  • 協同乳業
    • ホームランバー - バニラ&チョコ(10本入り)、プチパリチョコ(10本入り)、ソーダフロート(季節限定、10本入り)、袋詰め(10本入り)、シャキッとバニラ(広島東洋カープver、阪神タイガースver)、
    • プレミアムホームランバー - 濃厚バニラ、大きくなった濃厚バニラin、クッキー&クリーム、バニラ&チョコ(6本入り)
    • ホームランバーNEO - 濃厚バニラ、甘熟メロンミルク
    • ファミリーマートコレクション - バニラ、いちご
    • ホームランモナカ - バニラ&チョコ(5個入り)
  • 名糖産業
    • ホームランバー - バニラ、チョコ、チョコチップいちご、袋詰め(10本入り)
    • ビッグホームラン - 一回り大きいホームランバーで、販売価格も2倍。スティックは木製ではなくプラスチック製[2]

出典

  1. ^ a b c d e f g アイスマン福留 (2022年9月6日). “バニラにかき氷、棒アイスにコーン系! 名作揃いの“昭和アイス”が生まれた日”. 日本自動車連盟. 2024年10月27日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g 初見健一「ホームランバー」『まだある。大百科お菓子編 :今でも買える昭和のロングセラー図鑑』大空出版、2008年、111-117頁。ISBN 978-4903175195 
  3. ^ a b c d e f g h i j 『日本カンパニーキャラ&シンボル大全』辰巳出版、2021年、106-109頁。 ISBN 978-4777828326 
  4. ^ a b c d 串間努. “第2回「名糖ホームランバー」の巻”. まぼろしチャンネル. 2024年10月27日閲覧。
  5. ^ 綱島理友『お菓子帖』マガジンハウス、1991年、111頁。 ISBN 4-8387-0256-6 

外部リンク


ホームランバー(MEITO)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 22:43 UTC 版)

ペルソナ4」の記事における「ホームランバー(MEITO)」の解説

昔からある当たりつきアイスバーで、バニラチョコ2種類味があるクマ大好物で、花村陽介ジュネス得たバイト代のほとんどがこれに消えてゆき、クマ自身バイト代も大部分がこれの購入費やされる(そのためクマ主人公たちの修学旅行追跡する際、これを我慢して交通費貯金行った)。元々は完二お気に入りアイスであり、クマテレビの外に出てきた初日陽介のおごりで完二と二人でアイスを買うこととなって彼から薦められたのがきっかけ

※この「ホームランバー(MEITO)」の解説は、「ペルソナ4」の解説の一部です。
「ホームランバー(MEITO)」を含む「ペルソナ4」の記事については、「ペルソナ4」の概要を参照ください。

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