ヘレネーの略奪
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 00:09 UTC 版)
ペイリトオスの妻ヒッポダメイアとテーセウスの妻パイドラーが死ぬと、二人は新しい結婚相手を捜すようになった。ペイリトオスはテーセウスに、ゼウスの娘で美女と評判のヘレネーを連れ去ろうと相談を持ちかけた。二人は、ヘレネーの略奪に成功したときは、くじを引いて勝った方がヘレネーをとること、勝った方は負けた方のために、もう一人ゼウスの娘をさらってくること、を誓い合った。二人はスパルタに潜入、アルテミスの神殿にいたヘレネーをさらって逃げた。 くじに勝ったのはテーセウスだった。しかし、テーセウスは、ヘレネーの兄弟で守護者である双子のディオスクーロイ、カストルとポリュデウケースの追跡と復讐を恐れ、同時にこの結婚はアテーナイの民の支持も得られないのではないかと危惧した。また、ヘレネーはこのとき12歳だったといい、結婚には若すぎることを考慮して、アピドナイの地にヘレネーを送って隠し、自分の母親アイトラーに保護を託した。後にテーセウスの予想は的中し、ディオスクーロイはヘレネーを奪還し、アイトラーも捕虜とされ、そしてテーセウスはアテーナイの王位を逐われた。
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