プロアクティブ秘密分散
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/06 17:03 UTC 版)
シェアをあまり安全でないコンピュータシステムに保管すると、シェアが漏洩する可能性がある。しきい値以上のシェアが漏洩すれば秘密情報を復元されてしまうことは自明であるが、それより少ない数のシェアが漏洩した場合でも、実質のしきい値が減少してしまうため、安全性は低下してしまう。安全性を再度高めるためには、新しく秘密情報を選択しなおして(例えば秘密情報がパスワードのような場合)分散し直せばよいが、変更が困難は秘密情報もある。 シャミアのしきい値法の場合、秘密情報は変更しないまま、漏洩していないシェアを更新することができる。これを行うには、0を秘密情報としてシェアを計算し(すなわち、定数項が0であるランダム多項式を選ぶ)、シェアを各参加者へ秘密裏に配布する。各参加者は、元から持っていたシェアに新しいシェアを加算することで、シェアの更新を行う。これによって,漏洩した更新前のシェアは役に立たなくなる。更新前と更新後では、秘密情報のシェア生成の多項式が異なるため、たとえ更新前のシェアと更新後のシェアを合わせてしきい値分だけ集めたとしても、秘密情報が漏洩することはない。この方法で、しきい値も変更することができる。ただし、更新前のシェアを消さずに取っておくと、更新の意味がなくなるので注意が必要である。
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