プランクの放射法則とは? わかりやすく解説

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プランク‐の‐ほうしゃほうそく〔‐ハウシヤハフソク〕【プランクの放射法則】

読み方:ぷらんくのほうしゃほうそく

1900年ドイツ物理学者M=プランク導いた黒体からの熱放射黒体放射に関する法則。または振動数分布を表す公式を指す。熱放射スペクトルは、短波長側ではウィーンの放射法則長波長側ではレイリージーンズの放射法則一致するが、プランクの放射法則は全波長にわたりスペクトル正しく再現するプランク導出際し放射エネルギー振動数プランク定数の積を整数倍したものに限られるという、エネルギー量子化仮定した。これが後に、アインシュタイン光量子仮説提唱するきっかけとなり、量子論発展に結びついた。


プランクの法則

(プランクの放射法則 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/10 06:21 UTC 版)

黒体放射スペクトル

プランクの法則(プランクのほうそく、: Planck's law)は、黒体放射スペクトルに関する法則であり、量子力学の基本法則のひとつ[1]である。プランクの公式とも呼ばれる。この公式から導かれるスペクトルと温度特性は、全波長領域において、熱放射の実験結果から予想される黒体放射のスペクトルと一致する。

1900年ドイツの物理学者マックス・プランクによって導かれた。プランクはこの法則の導出を考える中で、物体が光を吸収または放射する時、そのエネルギーは、エネルギー素量(現在ではエネルギー量子と呼ばれている)ε = 整数倍でなければならないと仮定した。この量子仮説[2]量子化)は、その後の量子力学の幕開けに大きな影響を与えた。

より一般的な導入として、黒体の項目も参照

概要

プランクの法則において、黒体から輻射される電磁波の分光放射輝度は、周波数 ν と温度 T の関数として

温度 8 mK における黒体放射の、ヴィーンプランクレイリーの3式の比較

以下にあげるように、プランクの法則から他の黒体輻射の近似的公式を導くことができる。

原子の2準位系における輻射場の吸収と放出の過程。係数 B12で表される誘導吸収により、原子は輻射場を吸収し、準位1から準位2の状態に遷移する。また、係数 A21で表される自然放出と係数 B21で表される誘導放出により、輻射場を放出して準位2から準位1に遷移する。

空洞炉中の輻射場(電磁場の熱放射)は空洞炉の壁の物質での吸収、放出を介して、熱平衡状態にある。1916年と1917年の論文において、アルベルト・アインシュタインは輻射場が気体分子によって吸収、放出されるとし、その過程の議論からプランクの公式が導かれることを示した[11][12][13][14]。アインシュタインはボーアの原子模型で記述されるように、分子は特定の離散的なエネルギー準位をとる定常状態にあり、輻射場の放出と吸収により、異なるエネルギー準位に遷移するものとした。そして、放出と吸収の遷移確率を導入し、その詳細釣り合いの条件とウィーンの変位則からプランクの公式とボーアの振動数条件が導かれることを示した。なお、この論文の中で、自然放出誘導放出の概念とそれらを記述するアインシュタインのA係数、B係数が初めて導入された[15]

原子のエネルギー準位が Ei (i =1,2,…) と離散的な値をとるとすると、温度 T にある N 個の原子の集団において、原子がエネルギー Ei の状態にある確率はボルツマン統計によって、



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