プラスチドの獲得過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/16 13:06 UTC 版)
「アルベオラータ」の記事における「プラスチドの獲得過程」の解説
アルベオラータ類におけるプラスチド(葉緑体など)の獲得についてはよくわかっていない問題である。この類で葉緑体として機能しているプラスチドを持つのは渦鞭毛藻のうちおよそ半数と、サンゴの共生藻のクロメラ Chromera がある。しかし、アピコンプレクサでは、色素を含まず、複数の膜からなる細胞器官を持っており、ここから葉緑体に類似したDNAが発見された。それにより、これが痕跡的なプラスチドだと考えられるようになった。Chromera は系統的にアピコンプレクサに近いことから、アピコンプレクサの祖先は Chromera のような光合成性生物であった可能性も考えられる。 キャヴァリエ=スミスはアルベオラータ類は葉緑体を持った祖先から進化したもので、これはクロミスタの祖先と共通である(クロムアルベオラータ仮説)と提案している。しかしプラスチドは比較的進化したグループにしか見られないため、アルベオラータ類は元々はプラスチドを持たず、渦鞭毛藻とアピコンプレクサは別々にプラスチドを獲得した可能性もあるという意見もある。渦鞭毛藻では約半数が葉緑体を持たない他、珪藻やクリプト藻を起源とする葉緑体を持つものもあり、問題をややこしくしている。
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