プラインビル (オレゴン州)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > プラインビル (オレゴン州)の意味・解説 

プラインビル (オレゴン州)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/03 06:20 UTC 版)

プラインビル
Prineville, Oregon
州内の位置
北緯44度18分14秒 西経120度50分46秒 / 北緯44.30389度 西経120.84611度 / 44.30389; -120.84611座標: 北緯44度18分14秒 西経120度50分46秒 / 北緯44.30389度 西経120.84611度 / 44.30389; -120.84611
アメリカ合衆国
オレゴン州
クルック郡
市制施行 1880年
政府
 • 市長 ベティ・ジャン・ロップ
面積
 • 合計 6.7 mi2 (17.2 km2)
 • 陸地 6.7 mi2 (17.2 km2)
 • 水域 0 mi2 (0 km2)
標高
2,868 ft (874.2 m)
人口
(2010年)
 • 合計 9,253人
 • 密度 1,105.9人/mi2 (427.1人/km2)
等時帯 UTC-8 (太平洋標準時)
 • 夏時間 UTC-7 (太平洋夏時間)
ZIPコード
97754
市外局番 541
FIPS code 41-59850[1]
GNIS feature ID 1154317[2]
ウェブサイト www.cityofprineville.com

プラインビル: Prineville)は、アメリカ合衆国オレゴン州クルック郡であり、同郡の郡庁所在地である[3]。市名はこの土地で最初の商人だったバーニー・プラインの名に因む。2010年国勢調査による同市の人口は9,253人である[4]

歴史

プラインビルの設立は、モンロー・ホッジズが同地で初めてとなる地図を作成した1877年のことだった。郵便局が設置されたのは1871年4月13日であり、当初はプラインと呼ばれていたが、1872年12月23日にプラインビルに改称された。市制化は1880年10月23日に、オレゴン州議会の承認をへて施行された[5]。1902年には最初の高等学校が設置された。

長らく中央オレゴンの主要都市だったプラインビルであるが、1911年に鉄道界の重鎮ジェームズ・ジェローム・ヒルエドワード・ヘンリー・ハリマンがプラインビルを迂回し、ザダルズの南側に鉄道を建設したことにより衰退の一途をたどることになる。当時、鉄道の存在は、都市が発展するかゴーストタウン化するかを左右する重要なものであった。そこで1917年の住民投票では、プラインビルの住民は355対1という圧倒的多数により、プラインビル独自の鉄道を設置することを決め、31 km離れた本線まで鉄道を敷くための資金を集めた。

近隣にあるオチョコ国有林における林業に後押しされながら、プラインビル市営鉄道は数十年間にわたって繁栄した。鉄道業から得た利益は相当のものだったため、市は1964年から1968年にかけて財産税の徴収を中止した。しかし、その後オレゴン州では林業が衰退したため、2002年から2004年にかけて同鉄道は100万米ドルに近い損失を計上した[6]

地理

アメリカ合衆国国勢調査局の発表によれば、市の総面積は17 km2(6.7 mi2)であり、全域が陸地である[7]

プラインビルの近隣にはクルックト川が流れ、オチョコ・クリークの河口がある。23 km南東にはプラインビル貯水池がある。

中新世から漸新世にかけて、大規模な玄武岩質の流れがこの地域を一掃した[8]

人口動態

2000年の国勢調査[1]では、市の人口は7,356人で、2,817世帯、1,907家族が暮らしていた。人口密度は1,105.9/mi2(427.1/km2)だった。454.3/sq mi(175.5/km²)の平均密度に3,022軒の住宅が建っている。人種構成は、白人91.80%、アジア系0.73%、アフリカン・アメリカン0.01%、先住民1.50%、太平洋諸島系0.01%、その他の人種4.50%、および混血1.44%である。人口の7.42%はヒスパニックまたはラテン系だった。

2,817世帯のうち、35.8%が18歳未満の子供と一緒に生活しており、51.4%は夫婦で生活している。11.7%は未婚の女性または寡婦が世帯主であり、32.3%は結婚していない。27.1%は1人以上の独身の居住者が住んでおり、13.2%は65歳以上で独身である。1世帯の平均人数は2.55人であり、結婚している家庭の場合は、3.09人である。

市内の住民は29.3%が18歳未満の未成年、18歳以上24歳以下が9.6%、25歳以上44歳以下が27.0%、45歳以上64歳以下が18.6%、および65歳以上が15.5%にわたっている。中央値年齢は43歳である。女性100人ごとに対して男性は93.1人である。18歳以上の女性100人ごとに対して男性は88.0人である。

この都市の世帯ごとの平均的な収入は30,435米ドルであり、家族ごとの平均的な収入は36,587米ドルである。男性は31,224米ドルに対して女性は22,852米ドルの平均的な収入がある。この地域の一人当たりの収入 (per capita income) は14,163米ドルである。人口の14.3%および家族の10.0%の収入は貧困線以下である。全人口のうち18歳未満の16.6%および65歳以上の13.1%は貧困線以下の生活を送っている。

経済

プラインビルを拠点を置くタイヤストア・チェーンの「レス・シュワブ・タイヤ・センターズ」は、同社が設立した1952年からプラインビル市と密接な関係を続けてきた。2005年の時点で、レス・シュワブ・タイヤ・センターズは、カリフォルニア州アイダホ州モンタナ州ネバダ州、オレゴン州、ユタ州ワシントン州の7州で390以上の店舗を展開しており、15億米ドルを超える売上を毎年計上している。AP通信によれば、同社は全米第2位の非公開タイヤ小売会社となっている。2006年12月12日、同社は、本社機能を近郊のベンドに移転すると発表した。ベンドには同社の取締役の多くが住んでおり、その中には発表当日にCEOに就任したディック・ボーグマンもいる。2006年、ジャーナリストのマイク・ロゴウェイは次のように記した。

クルック郡庁舎
10年前のプラインビルだったら、シュワブ社が撤退することで荒廃したかもしれないが、今は違う。林業の衰退によってダメージを食らったプラインビルは今、経済のルネッサンスを謳歌している。土地管理局や林野局といった連邦の雇用口があり、これが同地の経済を引っ張っている…[クルック郡行政官、スコット・クーパー判事の引用]…そして住宅ブームと急成長する観光産業によって、この地域の産業には多様性が生み出されている。 プラインビルに最初にスターバックスが入ったのは2006年だ。長い間シャッターが閉まっていた映画館が再開される話も出ている。2006年12月には失業率が4.4%という低率を記録、これは1960年代以降もっとも低い失業率となった[9]

2010年、プラインビルはフェイスブックの新しいデータセンターの建設予定地に選ばれた[10]。このデータセンターは、契約する電力会社「パシフィコープ」が電力の70%を石炭から発電していることから、グリーンピースを始めとする環境団体から批判の的となった[11][12]。2012年2月21日、アップルはプラインビルに所有する160エーカーの土地に、「グリーン・データー・センター」をオープンすると発表した[13][14]

メディア

『プラインビル・テリトリー・マガジン』は、季節限定で発行される雑誌で、この地域の生物や歴史を紹介する。『セントラル・オレゴニアン』は週二回発行されるプラインビルの地域新聞である。

交通

出典

  1. ^ a b American FactFinder, United States Census Bureau, http://factfinder.census.gov 2008年1月31日閲覧。 
  2. ^ US Board on Geographic Names, United States Geological Survey, (2007-10-25), http://geonames.usgs.gov 2008年1月31日閲覧。 
  3. ^ Find a County, National Association of Counties, http://www.naco.org/Counties/Pages/FindACounty.aspx 2011年6月7日閲覧。 
  4. ^ Population by City, 2000 and 2010”. Population Research Center. Portland State University. 2011年7月28日閲覧。
  5. ^ Leeds, W. H. (1899). “Special Laws”. The State of Oregon General and Special Laws and Joint Resolutions and Memorials Enacted and Adopted by the Twentieth Regular Session of the Legislative Assembly (Salem, Oregon: State Printer): 896. https://books.google.co.jp/books?id=gsCwAAAAIAAJ&dq=%22ocean+grove%22+seaside+oregon&pg=PA896&redir_esc=y&hl=ja. 
  6. ^ [1]
  7. ^ US Gazetteer files: 2010, 2000, and 1990, United States Census Bureau, (2011-02-12), http://www.census.gov/geo/www/gazetteer/gazette.html 2011年4月23日閲覧。 
  8. ^ Field trip guide to the Oligocene Crooked River caldera: Central Oregon’s Supervolcano, Crook, Deschutes, and Jefferson Counties, Oregon, Oregon Geology Volume 69, Number 1, Fall 2009”. OregonGeology.org. 2011年11月3日閲覧。
  9. ^ Mike Rogoway, "Tire giant rolls hub out of town", The Oregonian December 13, 2006, p. B1+
  10. ^ Rogoway, Mike (2010年1月21日). “Facebook picks Prineville for its first data center”. OregonLive.com. http://www.oregonlive.com/business/index.ssf/2010/01/facebook_picks_prineville_for.html 2010年1月21日閲覧。 
  11. ^ Kaufman, Leslie (2010年9月17日). “You're 'So Coal': Angling to Shame Facebook”. The New York Times. http://green.blogs.nytimes.com/2010/09/17/youre-so-coal-trying-to-shame-facebook/ 
  12. ^ Albanesius, Chloe (2010年9月17日). “Greenpeace Attacks Facebook on Coal-Powered Data Center”. PC Magazine. http://www.pcmag.com/article2/0,2817,2369306,00.asp 
  13. ^ “Apple confirms plans for 'green' data center in Oregon”. AppleInsider.com. (2012年2月22日). http://www.appleinsider.com/articles/12/02/21/apple_confirms_plans_for_green_data_center_in_oregon.html 2012年1月22日閲覧。 
  14. ^ “Apple confirms plans for Oregon data center”. Portland Business Journal. (2012年2月22日). http://www.bizjournals.com/portland/morning_call/2012/02/apple-confirms-plans-for-oregon-data.html 2012年2月28日閲覧。 

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、プラインビル (オレゴン州)に関するカテゴリがあります。




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「プラインビル (オレゴン州)」の関連用語

プラインビル (オレゴン州)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



プラインビル (オレゴン州)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのプラインビル (オレゴン州) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS