フリードライヒ運動失調症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 06:58 UTC 版)
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フリードライヒ運動失調症 | |
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別称 | Spinocerebellar ataxia, FRDA, FA |
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Frataxin | |
診療科 | Neurology |
症候学 | Difficulty walking, loss of sensation, impaired speech that worsens over time[1] |
通常の発症 | 5–15 years[2] |
継続期間 | Long-term[1] |
原因 | Genetic (autosomal-recessive)[2] |
診断法 | Medical history, examination, genetic testing[2] |
鑑別 | Spinocerebellar ataxia, Charcot Marie Tooth disease, Ataxia telangiectasia[3] |
治療 | Supportive care[3] |
予後 | Life expectancy ~ 37 years[4] |
頻度 | 1 in 50,000 (United States)[2] |
フリードライヒ運動失調症(英: Friedreich's ataxia, FRDAまたはFA )は、歩行困難、感覚鈍麻、言語障害などの症状を引き起こす遺伝性疾患であり、それらの症状は時間の経過とともに悪化する[1]。精神機能は正常なままである[2]。一般的に症状が出始めるのは5歳から15歳の間である[2]。FRDAは進行するにつれて、肥大型心筋症を発症したり視力と聴力を失ったりするケースが多い[1]。その他の合併症には、脊柱側弯症や糖尿病などがあげられる[1]。
FRDAは、常染色体劣性により罹患者の両親から受け継がれる[1]。9番染色体上のFXN遺伝子の突然変異が原因で発生し、フラタキシンと呼ばれるタンパク質の産生が減少することによる[1]。これにより、神経細胞、心臓細胞、膵臓ベータ細胞などの高活性細胞が損傷する[1]。診断は多くの場合、症状に基づき行われ、遺伝子検査によって確定される[2]。
症状や合併症を管理することはできるが、根本的な特定の治療法はない[2]。管理するにあたり、理学療法、車椅子などの移動補助器具、補聴器などが用いられる[1][2]。FRDA罹患者の平均余命は約37年であるが[4]、 60代またはそれ以上生きる罹患者もいる[2]。
FRDAは、米国の50,000人に1人が罹患しており、最も一般的な遺伝性運動失調症である[2]。FRDAの罹患率が高い地域は、ヨーロッパ、中東、南アジア、北アフリカである[3]。FRDAは、1863年に症状を最初に説明したドイツの医師のニコラウス・フリードライヒにちなみ名付けられた[1]。いくつかの潜在的な治療法の研究が進められている[4]。
出典
- ^ a b c d e f g h i j Williams, CT; De Jesus, O (January 2021). Friedreich Ataxia. PMID 33085346.
- ^ a b c d e f g h i j k “Friedreich Ataxia Fact Sheet”. www.ninds.nih.gov. National Institute of Neurological Disorders and Stroke. 2021年5月11日閲覧。
- ^ a b c “Friedreich's Ataxia”. NORD (National Organization for Rare Disorders). 2021年5月11日閲覧。
- ^ a b c Cook, A; Giunti, P (1 December 2017). “Friedreich's ataxia: clinical features, pathogenesis and management.”. British medical bulletin 124 (1): 19-30. doi:10.1093/bmb/ldx034. PMID 29053830.
外部リンク
分類 | |
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外部リソース |
フリードライヒ運動失調症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/04 17:24 UTC 版)
「イデベノン」の記事における「フリードライヒ運動失調症」の解説
フリードライヒ運動失調症(FA)に対するイデベノンの予備的試験が実施され、心臓肥大および神経学的機能に対する有効性が示唆された。神経学的機能に対する有効性は特に若年者の患者で顕著であった。それとは別に、8名の患者による1年間の試験が実施され、イデベノンは心機能の悪化率を低下させたが、運動失調の進展は阻止できなかった。 カナダでは2008年にFAに対して、有効性を立証する試験を実施することを条件として承認された。しかしイデベノンの有効性を示す事はできず、2013年2月に、同年4月を以って自主回収すると決定された。2008年には、欧州EMAがFAに対する承認を却下した。2013年時点で欧米ではイデベノンはFAについて承認されていない。
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