フリーデル・クラフツ アシル化反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/01/14 10:07 UTC 版)
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フリーデル・クラフツ アシル化反応(Friedel–Crafts acylation;アルカノイル化(alkanoylation)とも)は塩化アルミニウムのような強力なルイス酸触媒のもと、カルボン酸塩化物を用いて芳香環にアシル基を導入する反応である。この反応は酸無水物を利用して行うことも可能であり、反応条件はフリーデル・クラフツ アルキル化に似ている。 カルボニル基の持つ電子求引性のおかげで生成物がさらに他のカルボン酸塩化物と反応する、すなわち多置換生成物の発生が少ないことが利点として挙げられる。また、反応する求電子試薬がアシルカチオンとなり共鳴安定化される場合が多く、いったん生成されるとアルキル化のような転位を起こすことがないのが特徴である。 アルキル化の場合は触媒量は微量で良いが、アルカノイル化の場合は多量に必要とする。これは塩化アルミニウム触媒のもとアシルカチオンが生成したときに酸素原子の孤立電子対とアルミニウム原子が相互作用して錯体を形成し、酸素原子上にとどまるために触媒の活性が落ちてしまうためである。 フリーデル・クラフツ アルカノイル化の成功率はそのカルボン酸塩化物の安定性に依存する。例として塩化ホルミルの場合は不安定で単離が難しく、そのためフリーデル・クラフツ反応を介したベンズアルデヒドの合成は、塩化ホルミルができた位置ですぐにフリーデル・クラフツ アシル化反応を行う必要がある。 これはガッターマン・コッホ反応によって、ベンゼンと一酸化炭素、塩化水素をもとに高圧、塩化アルミニウムと塩化銅(I)の混合物の触媒下で合成が達成された。 「ガッターマン・コッホ反応」を参照
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