フォーマット_(バンド)とは? わかりやすく解説

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フォーマット (バンド)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/03 07:21 UTC 版)

フォーマット
トロントでのオペラハウス公演にて(2007年8月)
基本情報
原語名 The Format
出身地 アメリカ合衆国 アリゾナ州ピオリア
ジャンル
活動期間
  • 2002年 - 2008年
  • 2020年
  • 2025年 -
レーベル
公式サイト theformat.com
メンバー
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フォーマット[注 1]The Format)は、ボーカリストのネイト・ルイスマルチ奏者サム・ミーンズによって結成されたアメリカ合衆国のインディー・ロックバンド。1960年代から1970年代のポップ・ミュージックの要素とインディー、オルタナティヴパンクフォークを融合した音楽スタイルで知られる[3]。2002年2月に結成され、2008年2月4日に活動休止を発表[4]。2020年2月4日には活動再開とライブの開催が発表されたが[5]新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた延期の発表を経て開催中止となった[6]。2025年、再びバンドの再結成が発表された。

経歴

2002年2月、小学校時代からの同級生であるサム・ミーンズネイト・ルイスの2人で結成[7][8][9]。フォーマット結成前、ルイスとミーンズはネヴァー・ゴナ・スコアNever Gonna Score)というバンドで活動を共にしていて、1999年にEP『The Byron Sessions』を発売した(その後解散)[10][11]

2003年にエレクトラ・レコードと契約した後、秋の発売に向けてデビュー・アルバムの録音作業を開始[12]。10月21日にデビュー・アルバム『Interventions + Lullabies』を発売、11月9日から22日にかけてストレイライト・ラン英語版とのライブを開催[13]

2004年3月、エレクトラ・レコードがワーナー・ブラザース・レコードに合併したことを受け、アトランティック・レコードに移籍[14]。同年4月8日には5曲入りEP『Snails』を発売[15]。ほどなくして2人はハリー・ニルソンエレクトリック・ライト・オーケストラザ・ビーチ・ボーイズの影響を受けた2枚目のフルアルバムの制作を始め、プロデューサーにレッド・クロス英語版スティーヴン・シェーン・マクドナルド英語版を迎えることを決めた[12]。しかし、アルバム用のデモ音源を聴いたレーベルは、この方向性に賛同しなかった[12]。その後2枚目のフルアルバム『ドッグ・プロブレムズ英語版』を完成させた2人は、所属事務所の助力を受けてレーベル「ザ・ヴァニティ・レーベル」を設立し、同レーベルから発売することを決める[16]。アルバム発売の2か月前にはインターネット上で音源(MP3形式)が流出する。これを受け、2人はNettwerk Music Storeでの販売を開始し、アルバム発売で2,000ダウンロードを記録した[12]。2006年10月、オール・アメリカン・リジェクツのツアーに同行[17]

2007年には来日して東京で公演を行ったほか、NBCラスト・コール・ウィズ・カーソン・デイリー』に2度出演し、ガスター英語版との共同ヘッドライニング・ツアーを開催した[18]。同年6月25日から20日間にかけて公式サイト上で『ドッグ・プロブレムズ』の無料配布が実施された[19]

2008年2月4日、各々のソロプロジェクトに専念するため「しばらくの間」活動を休止することを発表[4]。フォーマットの活動休止後、ミーンズは映画『The Sinking of Santa Isabel』のサウンドトラックを手がけたほか[20]ミシェル・ダローザ英語版らとともにデストリー英語版を結成[21]。ルイスはアンドリュー・ドストジャック・アントノフとともにFUN.を結成し[22]、2015年に活動休止した後ソロ・アーティストとして活動を開始[23][24]

2020年2月3日、2007年に発表したコンサート・フィルム『Live at the Mayan』を全動画配信プラットフォームで配信開始。この翌日にはバンドの再結成と3月20日から4月3日にかけてシカゴ、ニューヨーク、フェニックスを3都市をめぐるライブツアーを行うことを発表した[25]。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、3月12日にツアーの開始を7月17日に延期することを発表[26]。その後6月11日に2021年7月16日[27]、2021年4月6日に2022年3月18日に延期することが発表された後[28]、2022年1月26日に開催中止が発表された[6]。2025年7月9日、再びバンドの再結成が発表され、9月27日から10月10日にかけてツアーを開催することが併せて発表された[29]

メンバー

サポートメンバー

  • マイク・シャイ / Mike Schey – ギター
  • ドン・レイモンド・ジュニア / Don Raymond Jr.ベースギター
  • マーク・バザード / Mark Buzard – ギター、キーボード、パーカッション、バッキング・ボーカル
  • アダム・ボイド / Adam Boydドラム、パーカッション、バッキング・ボーカル
  • ショーン・マッコール / Sean McCall – ドラム
  • ジョン・オライリー・ジュニア / John O'Reilly Jr. – ドラム、パーカッション

作品

スタジオ・アルバム

タイトル 詳細 最高位
US
[30]
Interventions + Lullabies
[注 2]
ドッグ・プロブレムズ
  • 原題: Dog Problems
  • 発売日: 2006年7月11日
  • レーベル: ザ・ヴァニティ・レーベル
  • 規格: CD、LP、カセット、音楽配信
77

コンピレーション・アルバム

  • Live at the Mesa Amphitheater(2004年)
    • 期間限定で発売されたライブ・アルバム。
  • B-Sides & Rarities(2007年)
  • Live at the Mayan Theatre(2020年)

EP

  • EP(2002年)
    • 自主制作盤。
  • Snails(2005年)
  • Live from the Living Room: Volume One(2006年)
  • And Now I Hope You're Alright - Live in California(2006年)
  • The Format Live: Exporting Insecurity(2006年)
  • Kenneth Room Sessions(2016年)

DVD

  • Live at the Mayan Theatre(2007年)

シングル

  • "The First Single"(2005年)
  • 「コンプロマイズ」 - "The Compromise"(2006年)
  • 「タイム・ボム」 - "Time Bomb"(2006年)
  • "Apeman"(2006年)
  • 「シー・ダズント・ゲット・イット」 - "She Doesn't Get It"(2006年)
  • 「ドッグ・プロブレムズ」 - "Dog Problems"(2006年)
  • "Swans"(2016年)
  • "Your New Name"(2022年)

その他の楽曲

脚注

注釈

  1. ^ 冠詞付きの「ザ・フォーマット」と表記されることもあるが、本稿では『ドッグ・プロブレムズ』の日本盤で使用された表記を採用する。
  2. ^ Billboard 200にはチャートインしていないが、Vinyl Albumsでは最高位2位を記録した[31]

出典

  1. ^ Apar, Corey. The Format Biography - オールミュージック. 2025年4月20日閲覧。
  2. ^ Zemler, Emily (2012年3月2日). “Fun.: The Billboard Cover Story”. Billboard. 2022年2月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月20日閲覧。
  3. ^ Iwasaki, Scott (2003年11月7日). “The Format refuses to stick to a musical format”. Deseret News: p. W11 
  4. ^ a b Goodman, William (2008年2月4日). “News Roundup: Arcade Fire, Gang of Four, Radiohead, the Format”. SPIN. SpinMedia. 2015年10月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月20日閲覧。
  5. ^ Masley, Ed (2020年2月3日). “Here's what happened when the Format played a surprise reunion concert in downtown Phoenix”. azcentral. Gannett Co.. 2020年2月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月20日閲覧。
  6. ^ a b Masley, Ed (2022年1月26日). “The Format cancel 2022 reunion concerts: 'We are sorry'”. azcentral. Gannett Co.. 2021年1月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月20日閲覧。
  7. ^ Bond, Jonathan. “bio”. theformat.com. 2003年2月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月20日閲覧。
  8. ^ Artist of the Day: The Format”. SPIN.com. 2006年8月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月20日閲覧。
  9. ^ Bond, Jonathan (2002年10月24日). “Big Deal”. Phoenix New Times. 2016年1月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月20日閲覧。
  10. ^ Hepp, Joy (2002年9月18日). “First and Format”. The State Press. ASU Student Media. 2025年4月20日閲覧。
  11. ^ Childers, Chad (2022年2月7日). “Rock Band to Release 1,000 30-Second Songs to Trick Spotify Royalty Payout”. Loudwire. Townsquare Media. 2022年2月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月20日閲覧。
  12. ^ a b c d Laudig, Michele (2006年7月6日). “Format Busters”. Phoenix New Times. 2015年10月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月20日閲覧。
  13. ^ Dufour, Matt (2003年10月6日). “The Format Hit The Road With Straylight Run”. The Fader. 2016年9月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月20日閲覧。
  14. ^ White, Adam (2004年3月2日). “Restructuring of the Warner Music Group begins”. Punknews.org. 2022年8月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月26日閲覧。
  15. ^ Snails - EP (Bonus Track Version)”. Bandcamp. 2025年4月26日閲覧。
  16. ^ Ferrucci, Patrick (2006年10月27日). “Label 'Problems' not a big deal for The Format”. New Haven Register: p. W23 
  17. ^ SPIN Staff (2006年8月29日). “Format, Motion City Tour with All-American Rejects”. SPIN. SpinMedia. 2019年5月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月26日閲覧。
  18. ^ McLennan, Scott (2007年4月10日). “The Format not just another emo band”. Telegram & Gazette: p. E3 
  19. ^ Paul, Aubin (2007年6月5日). “The Format to give away 2006 album”. Punknews.org. 2022年2月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月26日閲覧。
  20. ^ The Format's Sam Means and Nate Nuess Release New Music Since the Duo's Official Break-Up”. www.indierockcafe.com (2009年9月24日). 2009年10月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月26日閲覧。
  21. ^ Sam Means (ex-Format) forms Destry with Michelle DaRosa (Straylight Run)”. Punknews.org (2008年10月4日). 2008年10月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月26日閲覧。
  22. ^ Graham, Blake J. (12 April 2012). “Truth in Words, in Rhymes, in Notes: An Interview with Nate Ruess of Fun”. The Airspace (Interview). 2017年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2025年4月26日閲覧.
  23. ^ Fun., A Message From Nate, Jack & Andrew”. Ournameisfun.com. 2015年6月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月26日閲覧。
  24. ^ Terry, Josh (2015年2月23日). “Fun singer sounds like Fun on new solo single, 'Nohting Without Love'”. Chicago Tribune. Tribune Publishing Company. 2024年7月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月26日閲覧。
  25. ^ Martoccio, Angie (2020年2月4日). “The Format Reunite After 12 Years, Announce 2020 Tour Dates”. Rolling Stone. 2020年2月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月26日閲覧。
  26. ^ theformatの投稿(10157173365237452) - Facebook
  27. ^ The Format (2020年6月12日). “Hi everyone! In the interest of following government guidelines and keeping everyone safe, we've moved the reunion shows from this July to next July.”. Facebook. 2025年4月26日閲覧。
  28. ^ theformatの投稿(10158318985717452) - Facebook
  29. ^ Hatfield, Amanda (2025年7月9日). “The Format finally re-announce reunion shows (NYC with Ben Kweller)”. BrooklynVegan. Veeps. 2025年8月3日閲覧。
  30. ^ The Format Chart History (Billboard 200)”. Billboard. 2025年4月27日閲覧。
  31. ^ The Format Chart History (Vinyl Albums)”. Billboard. 2025年4月27日閲覧。
  32. ^ Hasty, Katie (2007年6月28日). “The Format Offering Free 'Problems' For Two Weeks”. Billboard. 2022年8月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月27日閲覧。

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