南 聡:ピアノのための《隠喩の窓辺》(ピアノソナタ第1番)
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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南 聡:ピアノのための《隠喩の窓辺》(ピアノソナタ第1番) | Window by the Metaphor/Piano Sonata 1 Op.19 | 作曲年: 1989 年 |
作品解説
大楽勝美の委嘱により作曲。彼のリサイタルにて初演され彼に献呈された。
19世紀のロマン主義音楽がピアノに与えた表現術を再調査し再構成することを作曲の目的とした。そのことによって、よくある現代のピアノ曲のメカニカルな語り口から抜け出すことを考えた。そのため、別々に準備された5種類の音楽の断片がモザイク状に積み上げられており、ちょうどテレビのチャンネルを内容と関係なく切り替え続けるような状態を音楽として表現している。したがって、各楽節部分を大胆に弾き分けることが肝要になる。また、ソステヌートペダルの効果を多様に用いた曲でもあり、この効果によって各部分が色分けされる。曲の中に含まれる「エピソード」は別々の自作からの引用であり、この部分はこの曲の「窓」から見える切り取られた風景を意味する。そのためこの部分は情景的に演奏されるべきである。切り刻まれてばらばらになったソナタのモザイクのイメージ。単一楽章で10分程度。
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