ピアソンのχ2検定の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/23 15:12 UTC 版)
「ハーディー・ワインベルクの法則」の記事における「ピアソンのχ2検定の例」の解説
以下のデータは エドモンド・ブリスコ・フォード (1971) の研究から出典した、Scarlet tiger moth集団中からサンプリングした表現型のデータである。 遺伝子型と表現型の食い違いは無視できるほど小さいとする。 帰無仮説 はこの集団はHWPに従っているというもので、対立仮説 はこの集団は ハーディー・ワインベルクの平衡の状態にないというものである。 表1: ハーディ・ワインベルク平衡検定の例遺伝子型白い点 (AA) 中間 (Aa) 小さな点 (aa) 計個体数1469 138 5 1612 ここから優性のアリルのアリル頻度pは以下のように計算できる: p = 2 × o b s ( A A ) + o b s ( A a ) 2 × ( o b s ( A A ) + o b s ( A a ) + o b s ( a a ) ) = 1469 × 2 + 138 2 × ( 1469 + 138 + 5 ) = 3076 3224 = 0.954 {\displaystyle {\begin{aligned}p&={2\times \mathrm {obs} (AA)+\mathrm {obs} (Aa) \over 2\times (\mathrm {obs} (AA)+\mathrm {obs} (Aa)+\mathrm {obs} (aa))}\\\\&={1469\times 2+138 \over 2\times (1469+138+5)}\\\\&={3076 \over 3224}\\\\&=0.954\end{aligned}}} 一方劣性のアリル頻度qは、 q = 1 − p = 1 − 0.954 = 0.046 {\displaystyle {\begin{aligned}q&=1-p\\&=1-0.954\\&=0.046\end{aligned}}} ハーディー・ワインベルク平衡の場合の期待値は: E x p ( A A ) = p 2 n = 0.954 2 × 1612 = 1467.4 E x p ( A a ) = 2 p q n = 2 × 0.954 × 0.046 × 1612 = 141.2 E x p ( a a ) = q 2 n = 0.046 2 × 1612 = 3.4 {\displaystyle {\begin{aligned}\mathrm {Exp} (AA)&=p^{2}n=0.954^{2}\times 1612=1467.4\\\mathrm {Exp} (Aa)&=2pqn=2\times 0.954\times 0.046\times 1612=141.2\\\mathrm {Exp} (aa)&=q^{2}n=0.046^{2}\times 1612=3.4\end{aligned}}} ピアソンのカイ二乗検定を用いた場合: χ 2 = ∑ ( O − E ) 2 E = ( 1469 − 1467.4 ) 2 1467.4 + ( 138 − 141.2 ) 2 141.2 + ( 5 − 3.4 ) 2 3.4 = 0.001 + 0.073 + 0.756 = 0.83 {\displaystyle {\begin{aligned}\chi ^{2}&=\sum {(O-E)^{2} \over E}\\&={(1469-1467.4)^{2} \over 1467.4}+{(138-141.2)^{2} \over 141.2}+{(5-3.4)^{2} \over 3.4}\\&=0.001+0.073+0.756\\&=0.83\end{aligned}}} 自由度は1 (HWP検定の自由度は 遺伝子型数 − 対立遺伝子数)。 自由度1で危険率5%となるのはχ2値が3.84のときであるので、この χ2 値はそれ以下であることから HWPに従っているという帰無仮説は棄却されない。
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