バーストの天体物理学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/09/23 14:34 UTC 版)
「X線バースター」の記事における「バーストの天体物理学」の解説
連星系の恒星がロッシュ・ローブを越える(伴星に近づきすぎるか半径が大きくなりすぎる)と、質量が中性子星に向かう流れとなって伴星が質量を失い始めるか、または伴星がエディントン限界を超えて質量を失い、この物質の一部が重力的に中性子星に引きつけられることになる。公転周期が短く、伴星の質量が大きい環境では、両方のプロセスが起こる。どちらの場合にも、落ち込む物質は伴星の表層に由来し、水素とヘリウムに富む。コンパクト星は重力場が強いため、物質は非常に速い速度でコンパクト星に落ち込み、通常は経路上で他の加速した物質と衝突して降着円盤を形成する。強い重力場によるもう1つの帰結として、X線バースターでは、流入する物質は中性子星の表面で加速され、フェルミ縮退の濃い層を作る。フェルミ縮退の状態にある物質は理想気体の状態方程式に従わず、温度が変わっても圧力はほとんど変化しない。中性子星の表面にフェルミ縮退の状態の物質が十分に蓄積すると、大気安定度により発熱性の核融合反応が始まり、気温は10億度以上に上昇して最終的に核爆発を起こす。この爆発的な恒星内元素合成はCNOサイクルで始まり、すぐにrp過程に移行する。理論上は少なくともいくつかの場合は、加速物質中の水素は継続的に燃え、蓄積されたヘリウムがバーストを引き起こすとされる。
※この「バーストの天体物理学」の解説は、「X線バースター」の解説の一部です。
「バーストの天体物理学」を含む「X線バースター」の記事については、「X線バースター」の概要を参照ください。
- バーストの天体物理学のページへのリンク