バリオン数保存則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/27 05:39 UTC 版)
標準理論では、バリオン数は保存されると従来考えられてきた。言い換えれば、クォークと反クォークの数は対消滅・対生成を除いては、粒子反応の前後で保存される。グルーオンやウィークボソンの交換によりカラーやフレーバーは変化するが、クォーク自体が消えたり生まれたりすることはない。 しかし、標準理論においてもカイラルアノマリーと呼ばれる過程により、バリオン数が保存しないことがわかった。インスタントンやスファレロンの理論では、電弱スファレロンはバリオン数を3だけ変える。 また大統一理論においては、クォークとレプトンは同一の粒子の異なる状態であるとみなされ、互いに変換されうる。二つのクォークは非常に低い頻度でXボソンを交換してレプトンと反クォークに変化する。この過程でバリオン数は2/3から−1/3に変化する。陽子の中でこれが起これば陽子崩壊となり、陽子は中間子とレプトンに崩壊する。 宇宙の創生では、バリオン数 0 の初期状態から上記のような反応によりバリオンが生成され、バリオン数が正の宇宙が生まれたと考えられているが、詳細は不明である。(バリオン生成およびレプトン生成参照)
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