ハンニバル、陽動のためローマに向かう
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/22 13:55 UTC 版)
「カプア包囲戦」の記事における「ハンニバル、陽動のためローマに向かう」の解説
ハンニバルがこの作戦を遂行していることを知ると、フラックスは直ちにローマ元老院に手紙を書き送った。元老院は、状況の重大さを認識し、全体集会が召集された。 他方、ハンニバルはサムニウムを抜けてローマに急行し、わずか40スタディオン(7.5キロメートル)の距離に野営地を設営した。その到着は突然であり、また予想外のものであったため、このことが知られると市民は驚き動揺が広がった。ハンニバルがこのような距離にまでローマに接近したことは、過去にも無かった。また、市民の一部はカプアのローマ軍が敗北したのではないかと疑った。 しかしローマ市防衛のために新たに2個軍団を新設していたことを知ると、ハンニバルは街自体の攻略は諦め、周辺地域を襲撃し、略奪を行った。カルタゴ軍野営地には略奪した物質が積み上がった。数日後、ハンニバルはカプアに戻ることを決めた。十分な略奪を行い、またローマ自体の攻略が不可能であったのも理由であったが、最大の理由はカプアのローマ軍が包囲を解いてローマに向かうに十分な日数が経過したと信じたためであった。あるいはカプアに多少の兵を残しているかもしれないが、いずれにせよハンニバルにとって想定していた事態であった。
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