ハミルトン形式とポアソン括弧
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 15:40 UTC 版)
「ルンゲ=レンツベクトル」の記事における「ハミルトン形式とポアソン括弧」の解説
ハミルトン形式の解析力学で記述すれば、ケプラー問題の対称性とルンゲ=レンツベクトルの性質がより明らかになる。角運動量ベクトル L = (L1, L2, L3) の各成分同士のポアソン括弧は { L 1 , L 2 } = L 3 , { L 2 , L 3 } = L 1 , { L 3 , L 1 } = L 2 {\displaystyle \{L_{1},L_{2}\}=L_{3},\,\{L_{2},L_{3}\}=L_{1},\,\{L_{3},L_{1}\}=L_{2}} という3次特殊直交群SO(3)に対応する関係式を満たす。ここでエディントンのイプシロン εijk を用いれば、 { L i , L j } = ∑ k = 1 3 ϵ i j k L k {\displaystyle \{L_{i},L_{j}\}=\sum _{k=1}^{3}\epsilon _{ijk}L_{k}} と表すことができる。また、角運動量ベクトルとルンゲ=レンツベクトルのポアソン括弧は { A i , L j } = ∑ k = 1 3 ϵ i j k A k {\displaystyle \{A_{i},L_{j}\}=\sum _{k=1}^{3}\epsilon _{ijk}A_{k}} となる。一方、ルンゲ=レンツベクトル同士のポアソン括弧は、例えば { A 1 , A 2 } = − ( p 2 − 2 m k r ) L 3 = − 2 m E L 3 {\displaystyle \{A_{1},A_{2}\}=-\left(p^{2}-{\frac {2mk}{r}}\right)L_{3}=-2mEL_{3}} となり、定数項 −2mE の係数が付く。ここで E < 0 となる束縛状態について D = A − 2 m E {\displaystyle {\boldsymbol {D}}={\frac {\boldsymbol {A}}{\sqrt {-2mE}}}} を導入すれば、 { L i , L j } = ∑ k = 1 3 ϵ i j k L k {\displaystyle \{L_{i},L_{j}\}=\sum _{k=1}^{3}\epsilon _{ijk}L_{k}} { D i , L j } = ∑ k = 1 3 ϵ i j k D k {\displaystyle \{D_{i},L_{j}\}=\sum _{k=1}^{3}\epsilon _{ijk}D_{k}} { D i , D j } = ∑ k = 1 3 ϵ i j k L k {\displaystyle \{D_{i},D_{j}\}=\sum _{k=1}^{3}\epsilon _{ijk}L_{k}} と簡明にまとめられる。この関係式はSO(3)を拡大したSO(4)に対応付けられる。
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