ハドリアヌスの城壁とは? わかりやすく解説

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ハドリアヌスの長城

(ハドリアヌスの城壁 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/13 08:35 UTC 版)

Hadrian's Wall
所在地 Northern England
座標 北緯55度01分 西経2度17分 / 北緯55.017度 西経2.283度 / 55.017; -2.283座標: 北緯55度01分 西経2度17分 / 北緯55.017度 西経2.283度 / 55.017; -2.283
全長 73マイル (117 km)
建設 122 AD
建設目的 Hadrian
訪問者 年間100,000+
管理者 Historic England
所有者 Various private and public ownerships
基準 ii, iii, iv
登録日 1987 (11th session)
所属 ローマ帝国の国境線
登録コード 430
Region Europe and North America
ハドリアヌスの長城

ハドリアヌスの長城(ハドリアヌスのちょうじょう、英語: Hadrian's Wallラテン語: Vallum Aelium)は、イギリスの北部にあるローマ帝国時代の城壁(囲壁)跡。広義にはローマ帝国の国境線を防御する防御壁『リメス』の一部であり、ローマ帝国最北端の国境線でもある。2世紀に、第14代ローマ皇帝ハドリアヌスにより建設された。

1987年ユネスコ世界遺産(文化遺産)に登録された。

概要

ハドリアヌスの長城はイングランド北部、スコットランドとの境界線近くにある。ローマ帝国は1世紀半ばにブリタニアまで領土を拡大させたが、ケルト人の侵入に悩まされていた。そこで皇帝ハドリアヌスが長城の建設を命じ[1]122年に工事が開始された。作業者はローマ帝国の支配地から動員され、完成には10年かかった。領土拡張を続けていたローマ帝国が領土拡張から別の政策への転換をした象徴の一つである。

この長城は文化的境界ではなく、あくまで軍事上の防衛線として建設された。ローマ帝国の支配が及ばなくなった4世紀後半以後も、17世紀までスコットランドに対する防御壁として使用されていた。このため、イングランドとスコットランドの国境として半ば固定化し、現在のイングランドとスコットランドの境界線にも大きな影響を与えている。

長城の規模

ハドリアヌスの長城は、ニューカッスル・アポン・タインからカーライルまで長さ約117.5km [2]にも及んだ。後の方で建設された壁の厚さは約2.5mになっている。アーシング川東部の城壁は四角に成形された石材で構築されており、壁の厚さは約3m、高さは約4mから5mに及んだ。一方アーシング川西部の城壁は芝や土で構築され、幅は6m、高さは3.5mほどであった。この壁は後から石垣で補強された。これらは城壁のみの寸法であり、堀や犬走りなどの付随施設は含まない。長城の中央付近は、3mほどの基盤の上に2.4mほどの厚さのある壁が聳え立っていたとされ、この一部は現在に至るまで残っている。長城のすぐ南側には堀が掘られ、壁と並行に並ぶ2つの土塁に挟まれるような形で構築された。この堀はVallumと呼ばれるものであり、このラテン語が英語におけるwallの語源になったとされている。このVallumは長城より保存状態が良く、現在でも多くの地点で残っている。(城壁は、これまでに多くの石が盗まれてしまっている。)約1.5kmの間隔で監視所も設置されていた。6km間隔で要塞も建築され、要塞には500人から1000人のローマ兵が配備されたと推定されている。

脚注

  1. ^ ハドリアヌスの長城”. テレビ朝日. 2018年6月2日閲覧。
  2. ^ BBC – History – Hadrian's Wall Gallery”. Bbc.co.uk (2013年1月1日). 2013年3月26日閲覧。

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