ドナルド3世_(スコットランド王)とは? わかりやすく解説

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ドナルド3世 (スコットランド王)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/29 17:19 UTC 版)

ドナルド3世
Donald III / Domnall mac Donnchada
スコットランド王
在位 1093年 - 1094年5月
1094年11月 - 1097年

出生 1033年
死去 1099年
スコットランド王国、レスコビー
埋葬 スコットランド王国、ダンケルド・アビー
配偶者 ベソック
子女 ベソック
家名 アサル家
王朝 アサル朝
父親 ダンカン1世
母親 シビル・オブ・ノーサンブリア
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ドナルド3世スコットランド語: Domnall mac Donnchada、1033年 - 1099年)は、スコットランド(在位:1093年 - 1094年5月、1094年11月 - 1097年)。ダンカン1世とノーサンブリア伯シューアドの妹シビルの次男でマルカム3世の弟。肌が白いことから白皙を意味するドナルド・ベイン(Donald Bane)ともいわれる。

生涯

父がマクベスに殺害された1040年にスコットランド西部沖のヘブリディーズ諸島に逃れ、以後この地で少年時代を過ごした。兄マルカム3世がイングランド好みであったのに対して、北方の荒々しい気風の中で育ったドナルドは野生好みで、大のイングランド嫌いであった。マルカム3世の中・南部を中心とした政治に不満を持っていた北・西部の豪族たちに支持され、ドナルドは1093年に兄がイングランド侵攻で敗死すると甥で兄の長男ダンカン(後のダンカン2世)を差し置いて王位についた。ドナルド3世は王位につくや、宮廷の様式・習慣をケルト式に戻した[1][2]

翌1094年5月、イングランドに人質となっていたダンカンは、イングランド王ウィリアム2世の支援を受け、王位奪還に立ち上がった。ドナルド3世はダンカンに敗れ廃位、わずか7ヶ月で王位を奪われた。ダンカンは即位してダンカン2世となった[1][3]

しかし、マルカム3世以来のイングランド臣従に対する重臣たちの反発は大きかった。半年後の11月、ドナルド・ベインは支持者やダンカン2世の異母弟エドマンドたちと謀ってダンカン2世を暗殺し、王位に復帰してエドマンドと共同統治を行った[1][4]

1097年、エドマンドの弟エドガーがウィリアム2世とエドガー・アシリングの力を借りて軍を起こした。ドナルド3世はエドマンドと共に戦ったが敗れて捕らえられ、再び廃位された上両目を刳り貫かれて追放された(両目を失明させられた後、王家の台所の下働きとされたともいわれる)。それからまもなく、ドナルド3世はフォファシャーのレスコビーにて没した[1][5]

子女

  • ベソック - ティンダル卿ユートレッドと結婚。娘ヘクスティルダはリチャード・カミンと結婚し、2人の子孫ジョン・カミンは後にスコットランド王位を請求した(スコットランド独立戦争)。

脚注

  1. ^ a b c d 松村、P204。
  2. ^ 森、P49 - P50、トランター、P59。
  3. ^ 森、P50 - P51。
  4. ^ 森、P51 - P52、トランター、P59 - P60。
  5. ^ 森、P52、トランター、P60。

参考文献

  • 森護『スコットランド王室史話』大修館書店、1988年。
  • ナイジェル・トランター著、杉本優訳『スコットランド物語』大修館書店、1997年。
  • 松村赳・富田虎男編『英米史辞典』研究社、2000年。

関連項目




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