トルコの民俗舞踊とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > トルコの民俗舞踊の意味・解説 

トルコの民俗舞踊

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/17 22:15 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
地域ごとの踊りの様式:
ホラ - 東トラキア
Zeybek英語版 - エーゲ海地方マルマラ地方南部、中央アナトリア地方東部
Teke英語版 - 地中海沿岸地域西部
Kaşık Havası英語版Karşılama英語版 - 中央アナトリア地方西部、黒海地方 (トルコ)西部、マルマラ地方南部、地中海沿岸地域東部
Horon英語版 - 黒海地方 (トルコ)中東部
Halay英語版 - 東アナトリア地方中央アナトリア地方
バル(Bar) and Lezginka英語版 - 東アナトリア地方北部
トルコの7地方

トルコの民俗舞踊(トルコのみんぞくぶよう)について、ここでは基本的に現在のトルコ共和国の領土とされる地域における民俗舞踊を指す。この地域は3つの海に囲まれ、重要な交易路上に位置しており、その複雑で洗練された文化は踊りにも反映されている。主な踊りは列になって踊るものである。この地では様々な方法で多くの異なる様式の民俗舞踊が存在しており、各地域ごとの文化構造を反映している。最もよく知られている例としては、エルズルム県バル(Bar)、東南部の Halay英語版トラキアホラ 黒海 沿岸部の Horon英語版コンヤ 及びその周辺の Spoon dancesカルス県アルダハン県Lezginka英語版 などがある[1]

踊りの様式

バル(Bar)

バル(Bar)は、開いたサークルで集団で踊られている。一般に東アナトリア地方(エルズルム県, バイブルト県, アール県, カルス県, アルトヴィン県,エルズィンジャン県)で広く踊られている。手をつないで、あるいは肩や腕を組んで踊る特徴があり、男性と女性のバルはそれぞれ異なる。バルの伴奏では ダヴルズルナ が主に使われており、女性のバルにはクラリネットが追加されるようになった。5/8、9/8で踊られることが多く、6/8および12/8も時折見受けられる。特にトルコの民俗音楽において最も特徴的な拍子である アクサク の9/8拍子は、このダンスにおいても非常に異なる興味深い形で適用されている。 通常、現地の民俗衣装を着て、常に誇りをもって踊り、跳ねる動作に合わせて、回すように手を振る[1]

ハライ(Halay)

東部、南東部、中央部のアナトリアで広く踊られており、トルコの最も魅力的な踊りの様式の1つである。 ハレイのリズムは非常に豊富であり、伴奏は、主要な ダヴルズルナ との組み合わせの他、カバルsipsi英語版Çığırtma英語版サズ、時には民謡が歌われる[1]

ホロン(Horon)

ホロンは、現在のトルコの黒海地方 (トルコ)の沿岸地域とその内陸部でみられる典型的な踊りの様式である。ホロンという言葉は、ギリシャ語のホロス[男性名詞、単数形、名詞](ギリシア語: (ο) Χορός))から派生した言葉で、ホロスは、古代ギリシャ語でも現代ギリシャ語でも「踊り」を意味する。ホロンはその地域のギリシャ人文化に由来し、自然に円の形を形作り、歯切れのよい小さなステップで踊る、といった特徴がある。そのテンポ、リズム、拍子は、トルコの他の地域の踊りとはとても異なるように見える。 ホロンは、一般的にはそれぞれの集団ごとに踊られ、特徴的な拍子は7/16。メロディはとても速いため、楽器によっては演奏が非常に難しい。そのため、現実的な理由から、ダヴルケメンチェ との組み合わせで伴奏される。ホロンのメロディは cura英語版 と呼ばれる小さなタイプのサズで演奏される。内陸部ではそれに加えて、バグパイプや、Mey (Duduk英語版)、ズルナ 等の吹奏楽器も用いられる。その他に2/4、5/8および9/16の拍子もみられる[1]

ゼイベク(Zeybek)

ゼイベクは概してアナトリアの西部で広く踊られている。1人または2人、或いはグループで踊られており、例えば中央アナトリア地方では「Seymen英語版」と名前が変わることもある。 一般的に9/8拍子で、非常に遅く(9/2拍子)・遅く(9/4拍子)・速く(9/8拍子)・非常に速く、など様々なテンポの変化に富んでいる。とても速いゼイベクの例として、Burdur - Fethiye地域で見られる teke(山羊)の踊りがあり、teke にはゼイベクの特徴があり、伝統的に 9/16拍子で踊られる。ゼイベクが踊られる地域では、BENGI という別の民俗舞踊もある。ゼイベクとは違った形で踊られ、異なった音楽的特徴を持つが、その特徴的な拍子は9/8である。特に遅いテンポのゼイベクでは、伝統的に楽器として ダヴルズルナ の組み合わせを用いる。2つのダヴル と2つの ズルナ の構成で、2つのうちの一方のズルナがメロディの伴奏を奏でる。 ダヴルズルナ とは別に、サズリード、marrow bow 等が速いテンポのゼイベクでは用いられる。特に teke(山羊)の踊り ではリードが用いられる[1]

その他の様式

  • カルシラマ(Karsilamas)英語版: 婚礼の音楽の一種と共に、(古代ギリシア のχορεία芸術様式に由来する) ホラ のメロディとリズム構成の民俗舞踊で、互いに向かい合う形で俊敏に踊る。その地域の文化にみられるものと異なり、主に 9/8 拍子で踊るが、その他の拍子も存在する。楽器は伝統的に2つのダヴル と2つの ズルナ の構成で、この地域で特徴的であり、チフテテリでも見られる。
  • カシュク・ハヴァス英語版(トルコ語: Kaşık Oyunları 或いは Kaşık Havasıギリシア語: Χορός κουταλιών)(木のスプーンの踊り): 概して、地中海沿岸地域中で踊られており、その振付やリズム、メロディは特徴的で、その他の踊りとは際立って異なる構成である。常に木製スプーンを用い、2/4 或いは 4/4 拍子で踊る。伴奏の楽器は、弓の楽器、サズクラリネットで、通常、民謡を伴う。ディナールの「スプーンダンス」が最も有名である。
  • Kolbastı英語版: 青年たちの間で広く踊られている。
  • Samah英語版: 曲は、5/8、7/8 或いは 9/8 拍子。伴奏の楽器は、サズや弓の楽器など。リズムをとる楽器はない。伴奏なしで歌のみで踊ることも広くみられる。最も進化したものでは3部構成「a) agirlama b) yeldirme c) kogdurma」となっている。
  • シルトス英語版: 古代ギリシャに由来するギリシャの踊りで輪になって踊る。踊りの名前は「引きずるような踊り」を意味する「syro(σύρω)」から来ている。主にポントス地域で見受けられる。
  • Van と Adıyaman:トルコで最もしばしば演ぜられる、人気が高い踊り。

関連項目

脚注

  1. ^ a b c d e TURKISH FOLK DANCES”. ncturkishfestival. 2010年8月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年5月19日閲覧。
  2. ^ http://www.turkuler.com/nota/ezgi_trakya_kasap_havasi.html
  3. ^ sword dance in Encyclopædia Britannica. Retrieved July 18, 2010, from Encyclopædia Britannica Online: http://www.search.eb.com/eb/article-9070677
  4. ^ http://www.kulturportali.gov.tr/turkiye/gumushane/kulturatlasi/sera-siksara-siksaray

関連リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「トルコの民俗舞踊」の関連用語

トルコの民俗舞踊のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



トルコの民俗舞踊のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのトルコの民俗舞踊 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS