トリフルオロ酢酸無水物を活性化剤とする方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/08/13 13:31 UTC 版)
「スワーン酸化」の記事における「トリフルオロ酢酸無水物を活性化剤とする方法」の解説
1974年にD. Swernらによって発表された方法で、こちらがスワーン酸化の大元の方法になる。 ジメチルスルホキシドが無水トリフルオロ酢酸によりトリフルオロアセチル化され、トリフルオロアセチルジメチルスルホニウム塩となった後、アルコールと反応してアルコキシスルホニウム塩となる。 この方法においてはアルコキシスルホニウム塩の安定性に基質によって差があるため反応温度のコントロールが重要となる。 アリルアルコール、ベンジルアルコールにおいてはアルコキシスルホニウム塩が不安定であり、−30 ℃以上ではプメラー転位を起こしてメチルチオメチルエーテルに変化してしまう。そのため、カルボニル基を得るためには−60 ℃のまま最後まで反応させる必要がある。 一方、その他のアルコールではアルコキシスルホニウム塩は一旦形成されてしまえば室温でもかなり安定であるので、−60 ℃でアルコキシスルホニウム塩の形成を行なった後、室温まで昇温してから塩基を加える方が収率が向上する。 プメラー転位は立体的に空いているアルコールの方が起こりやすいため、この方法は立体的にかさ高いアルコールの酸化に適している。
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