トクビレイワシ科・ソコクジラウオ科との統合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/08/03 23:25 UTC 版)
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トクビレイワシ科 Mirapinnidae およびソコクジラウオ科 Megalomycteridae は、従来はクジラウオ科に近縁なグループとしてクジラウオ上科にまとめられていた。一般的な魚類とはかけ離れた奇妙な形態をもつ両群は、それぞれ120および65個体の標本が知られている中で、前者はすべて性成熟前の未熟な個体、後者は発達した精巣をもつ雄個体しか得られていなかった。一方のクジラウオ科では、少なくとも600点の標本が存在しているが、性別が判明したものはすべて雌であった。このため、これら3つのグループを関連付ける考察が1970年代から行われてきたものの、いずれも決定的な証拠を欠いたままであった。 ようやく2003年になって、千葉県立中央博物館の宮正樹らが実施した大規模なミトコンドリアDNA解析によって、クジラウオ科とトクビレイワシ科の塩基配列にほとんど差がないことが明らかにされた。この報告を受け、3グループの詳細な形態学的・遺伝子学的解析を、新たな標本を加えながら米国国立自然史博物館やオーストラリア博物館などと共同で進めた結果、見た目にはまったく異なるクジラウオ科・ソコクジラウオ科・トクビレイワシ科の魚類が実際には同一のグループであり、それぞれ雌成魚・雄成魚・仔魚に該当することが判明したのである。
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