デーメーテールとポセイドーン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 14:54 UTC 版)
「デーメーテール」の記事における「デーメーテールとポセイドーン」の解説
アルカディア地方に伝わる神話では、デーメーテールは娘を捜して地上を放浪していた際、ポセイドーンに迫られた。デーメーテールは彼を避けて牝馬の姿となり、オンコス王の馬群の中に紛れ込んだ。しかしポセイドーンは彼女を発見し、自分も牡馬の姿となって女神と交わった。 この結果、デーメーテールは一人の娘と名馬アレイオーンを生んだ。娘の名はデスポイナと呼ばれるが、これは単に「女君主」の意に過ぎず、実際の名は密儀の参加者以外には明らかにされていない。この時のポセイドーンに対するデーメーテールの怒りはすさまじく、怒りの女神エリーニュスと呼ばれたほどであった。風光明媚で名高いラードーン川の流れで沐浴するまで女神の怒りは続いたとされる。 アルカディア地方のピガリア(英語版)にはデーメーテールとポセイドーンの婚姻が伝わる洞窟があり、ポセイドーンに対する怒りと、娘を攫われた悲しみから、黒衣を纏い、その洞窟に籠った。そのため大地は実らず、人々は飢えで滅びかけたという。この洞窟には馬の頭を持つデーメーテール像が祀られていたと伝えられている。これによればデーメーテールはゼウスを中心とする神話確立以前の馬を表徴とする大地母神で、ポセイドーンと対をなす女神だったと考えられる。
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