デュマによる型の説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/23 13:54 UTC 版)
デュマの弟子であったオーギュスト・ローランが有機化合物中の水素が塩素に置換される現象を説明するために核の説を提案した際には、デュマはまだ電気化学的二元論を支持していた。しかし、1839年にデュマは酢酸を塩素と反応させることでトリクロロ酢酸を得て、これが酢酸と同じようにカルボン酸としての性質を示すことから電気化学的二元論を放棄し、新しい理論の構築を目指すようになった。その結果、1840年に発表されたのが型の説である。 デュマは酢酸とトリクロロ酢酸のように置換反応によって誘導され同じような性質を示す化合物は同じ化学型に属するとした。また組成式の一部の水素を他の原子に置き換えることによって誘導されるが、同じような性質を示さない化合物は同じ機械型に属するとした。 しかし、同じ化学型に属する化合物がほとんど知られていなかったこと、同じような性質としてどのような性質を取り上げるかの基準を作れなかったこと、機械型は色々な種類の化合物の寄せ集めになってしまい、それらの化合物の間にある相違が何であるかをまったく説明できなかったことから、デュマの型の説は電気化学的二元論に代わる有効な分類法とはならなかった。
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