デオキシリボヌクレオチドの前駆体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/21 06:17 UTC 版)
「リボヌクレオチド」の記事における「デオキシリボヌクレオチドの前駆体」の解説
RNAはDNAより早く発展してきたと信じられている。 リボヌクレオチドからデオキシリボヌクレオチドへの還元は、リボヌクレオチドレダクターゼによって触媒される。リボヌクレオチドレダクターゼは、DNA複製に必要な4つのデオキシリボヌクレオチドの合成の最終段階を担うため、全ての生物にとって必須の酵素である。この反応には、チオレドキシンとチオレドキシンレダクターゼという2つのタンパク質も必要である。リボヌクレオシド二リン酸は、チオレドキシンによってデオキシリボヌクレオシド二リン酸に還元される。 反応は、次のようになる。 リボヌクレオシド二リン酸 + NADPH + H+ -> デオキシリボヌクレオシド二リン酸 + NADP+ + H2O 上の式に従い、dATPとdGTPは、それぞれADPとGDPから生じる。これらは最初にリボヌクレオチドレダクターゼによって還元され、その後、ヌクレオシドジホスホキナーゼによってリン酸化される。しかし、ピリミジンのデオキシリボヌクレオチドでは、例えばUDPは先にdUDPに変換され、その後、dTMPやdCTPに変換される。この反応は、アロステリック効果によって制御されている。一度dATPがリボヌクレオチドレダクターゼに結合すると、全体の触媒作用が減少し、デオキシリボヌクレオチドの量が増える。このフィードバック阻害は、ATPが結合すると逆になる。
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